analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

生活のサイズを小さく畳む

あなたは働き者のアリかそれともキリギリスか?と問われたら、私は間違いなく働き者のキリギリスだと思う。心と身体を削って働きまくって稼いだ金は江戸っ子のように使いまくるという性分のままいい大人になってしまったから。 必要なものなら買うぞ!金を使…

デニムのポートレイト

デニムが好きだ。 素気ない真っ黒な生デニムがたくさん積まれている姿も好きだし、時間をかけて段々ヨレてくる感じも好きだ。穿いているうちクタッとしてくるのに芯が残っている頑丈なところもいい。柔らかくなったかなと思い洗濯するとまた強面に戻る感じも…

フィルムやめました宣言に寄せて

ここ最近フィルムの値上がりが続いたことで諸方面から悲鳴と落胆が聞こえてくるんだけど、これらの悲鳴に混じって「もうフィルムやめちゃおうかな」という呟きだったり「これを機にフィルムやめました」なんて呟きを目にするようになった。 税金という公的み…

映画用フィルムORWO UN54をプリントしてみた

久しぶりにプリントができた。 家庭の事情と住宅の事情により真夜中にならないと完全な暗室環境ができないため、自宅暗室が稼働するのは必然的に23時以降となる。バライタの洗浄とお片付けを含めると撤収が午前2時か3時、下手すると徹夜になることもあるため…

手で考え頭を使って作る写真集

たまたま「写真家が向き合っているもの」というほぼ日の特集を目にした。 どの回も素晴らしく纏められていて、ハッとする言葉がそこかしこに散りばめられているのだけど、とりわけ奥山由之さんの回が面白かったので引用する。 奥山撮った写真を、インスタだ…

映画用フィルムと歩く海街

写真フィルムの値上がりが止まらない。 せっかくフィルム写真が見直されるようになり若い子達が楽しそうにフィルムで写真を撮っているのに、えげつない勢いで値段を切り上げ続ける大人の世界は酷い。こんな夢も希望もない非情なフィルムの世界に一筋の光を投…

曖昧な詩情と夢想家じみたリアリティ

先日TwitterのTLに上がってきた渡部さとるさんの2B Channelが非常におもしろかった。リンク先の動画では渡部さんがHASSELBLAD X1DIIの凄さについて語っているんだけど、話の中で登場したどんど焼きの作例がとてつもなく素晴らしく、炎の中にあれだけの色情報…

2022.01.21: 907Xと海辺をぶらぶら

たまにはデジタルだけ持って海辺をぶらぶら歩いてみる。 ハッセルブラッドが持つナチュラルカラーソリューションという素晴らしいカラー再現性があるにも関わらず、自分の場合はことごとくモノクロームに処理してしまうので開発者には申し訳ないような気がし…

2022.01.16: 自宅暗室活動再開

ここ最近やたら内向的というか、暗い内容の記事を書きすぎたとちょっとだけ反省している。 ココロとカラダが不調だったから仕方ないんだけど、コロナウィルスとコロナ絡みの馬鹿な集団ヒステリーや合理性のない社会の動きには随分とメンタルを蝕まれた感があ…

2021.12.29 終着駅

2021年の仕事も無事収まりました。 どこまでも続く子育てと仕事のサンドイッチでほとんど休みなんて取れない状況の中、次第に身体と心と人間の全部を崩しながらヨタヨタと終着駅に到着した感じ。 年末年始の間少し休憩したら折り返し運転になります。次の終…

2021年に買って良かったもの

恐ろしい速度で2021年が消費されていく。 大掃除で掘り出された本を読んでいたらいつの間にかクリスマスが終わっちゃって、気がついたら今年中に片付けなければいけない仕事(メンタル死亡でほったらかしてた)を処理するのにあと2日しかない。そんな状況。 …

2021年の写真活動を振り返る

今年も残すことろあと二週間あまりなので今年の写真活動を振り返っているんだけど、2年くらい前に「そろそろ自分の撮ったものを世に問うてみたい」なんて偉そうなことを書いておきながら、仕事と私生活に振り回されて結局今年も何もできなかった。 某紙のイ…

ちょっと早い年末休み

アマノジャクになろうとしている訳じゃないのに、結果としてアマノジャクになってしまうことがある。 世間が自粛モード真っ盛りだった頃はあちらこちらを歩き回っていた自分がここ最近は家に閉じこもっている。今やコロナなんてどこ吹く風でビジネス街も飲み…

Lightroomのサブスクに疲れたあなたへ

事の発端はApple Siliconが搭載されたM1 MacBook Proを買ったところだったとも言えるし、新しいMacBookが原因でなくとも遅かれ早かれ現像ソフト引越しの時期は来たのかもしれない。

ようやく夏が終わりました

地獄のような日本の夏が終わった。 2015年くらいまでは日本は四季のある美しい国…なんて本気で思っていたけど、ここまで暑さが過激になると寒暖差と湿度が異常な地獄の気候って表現した方がいいと思う。ほんと辛いもの。 猛暑もありつつ定期的に冷夏があった…

やさしさ不足の社会

この気持ちは何だろう。 朝起きてから夜寝るまでずっと気分がソワソワしていて、人間関係はギスギスしている…ような気がする。寝ても覚めても何かに追いかけ回されているのに、追跡者の顔を見てやろうと振り返るとフワッと姿をくらまされるような感じ。 夜に…

ステイトメント

先日ストリートフォトについて思うことを書いたら、感想のお手紙をいただいた。 やもすればBLOGなんてただの独り言で終わってしまうような、とても独りよがりなweb版自由帳なだけに時折反応をいただけると嬉しい。 ありがとうございます。 何だか自分が急ぎ…

前進するってむつかしい

急に秋めいてきたと思ったらもう9月。 今年もあと3ヶ月と半分くらいしかないのに、2021年の初めに立てた目標のほとんどを達成できていない。何にもできない自分が嫌いになりそうなくらい未達成。 「毎日仕事と家事に追われてるんだもん、しょうがないじゃな…

Gitzo Légende三脚が到着した

製造が終わったと思ったら輸送中に製品に傷がついてて一旦回収になったり、約束通りにデリバリーできないなら金を返せと噛み付くバッカーが湧いてきたりと様々なトラブルを乗り越え遂にGitzo Légende三脚が到着。 外装箱を開けると箱in箱。 Gitzo Légende三…

Summer End

お盆の週末、関東地方は豪雨だった。 いつまでも止まない雨と風が2021年の酷暑を南へ押し返したようで、この豪雨を境に空気が変わったみたい。 心なしか空気が乾燥し始めた感じがして心地いい。 夏が終わりに差し掛かるにつれ段々とビーチから人が去り、空は…

あなたはこの世界の主人公にはなれない

オリンピックの結果をネットで眺めながら、ふとそんなフレーズが頭をよぎった。 当たり前すぎるくらい馬鹿馬鹿しいフレーズに自分でも「そりゃそうだ」と驚いた。 この晴れ舞台で活躍する彼等は自分とは全く違う才能と能力を持って生まれ、私達が想像できな…

CZJ Flektogon 35mmをカラーネガで試す

CZJ Flektogon 35mmレビューの3回目はカラーネガ編。 前回のモノクロフィルム編はFomapan100が予想外の良い写りをしてしまったため、話が現像方法に向いてしまった。 今回はKodak Gold200をPentax SPに詰めて海辺の街をぶらぶら。 普段使いのKodak Portra400…

Fomapan100は再考の価値があるかもしれない

先日入手したFlektogonで禁断のM42レンズ沼に一歩足を踏み入れた。 前回の記事ではXpro1にマウントアダプターを噛ませて現代の設計で製作されたレンズであるXF35 F1.4との簡単な比較を行なった。 とはいえこのblogはアナログ写真について記すものなので、こ…

From DDR to Tokyo: Flektogon 35mm F2.8 Zebra

手は出すまいぞと決めていたM42マウントのレンズが我が家に到着した。 いつかは使ってみたかったCarl Zeiss Jena製Flektogon 35mm(ゼブラ前期型)である。 物心ついた時分、世の中にはバヨネット式のマウントしかなかったので、ねじ込むだけのスクリューマ…

縦構図をやめた話

**ごく個人的な見解を多く含むので、まぁそんなことあるよね…程度にお読みください。** 縦構図でカメラを構える人々 一眼レフを縦に構えて被写体ににじり寄るフォトグラファー…なんて感じのプロフィール写真を時々SNSで見かけることがある。 カメラを横に構…

6x6記念日

今日が6月6日ってだけですけどね! 先日ハッセルブラッドのスクリーンをアキュートマットDに変更してからというもの、スクリーンを覗くのがとても楽しくなった。 あんまりにスクリーンの像が綺麗なもんだから、撮り終わったフィルムを抜いた後スクリーンを眺…

アキュートマットDが新品で売っていた件

HASSELBLAD 500C/Mのスクリーンにまだ新品があったなんて! TLに流れてきたツイートを見て我が目を疑った。 ハッセルが500C/Mに付けられる新しいデジバックをリリースしたとはいえ、50年前以上前に設計された500C/Mボディのためにパーツを新しく作るとか、そ…

M型ライカのなにが良いのか?

先日某雑誌の取材を受ける機会があった。 残念ながらその雑誌は廃刊となってしまい、自分の喋ったことが世に出ることは無いのだけど、インタビュアーと話をしていたら「一体M型ライカの何がこんなに魅力的なのか?」と改めて考えるいいきっかけになったので…

Summaron-M 35mmと海街散歩。

ここ最近カラーネガフィルムをよく使っている。 仕事と私生活が忙しすぎるからか、週末は何も考えずにカメラと財布を持って目的もなくぶらぶらすることが多い。 そんな目的のないぶらぶら歩きの時は35mmをつけたライカをぶら下げることにしている。 月曜から…

春はあけぼのモノクローム

毎年のことだけど、桜の季節はあっという間に過ぎ去ってしまった。 モノクローム写真ばかり撮っているからか、ここ数年は桜の花にあまり興味がなくむしろ桜の枝ぶりばかり眺めているような気がする。 ずっと桜の枝と春霞を眺めていると、水墨画の世界にトリ…