analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

スロウライフ

さよなら⌘Z

春はあけぼのカラーネガ、ということでVISION 3をカメラに詰めて週末の散歩に出かけた。 ここ数年はほとんどフィルムカメラしか持ち出していなかったのだけど、今年は思うところがありデジタルも一緒に持ち出して気の向くままにシャッターを切ってきた。出番…

社会の窓は8.3インチ

閉店間際のApple Storeに駆け込みiPad miniを買ってきた。 そろそろマイナーチェンジの時期かもしれないというルーマーサイトのご意見なんて気にせず1nmのためらいもなく、スッとカードを出したらサッと商品が裏から出てきて10分で会計が終了し銀座の夜に飛…

数年ぶりの降雪とはしゃぎ回る子供の声と

あのね、首都圏に住む僕たちにとって雪は数年に一度のアトラクションなの。 だから降雪を喜ぶなんて不謹慎!とか交通機関で大混乱が起きたらどうするんだ!なんて怒鳴り込んでこないでね。 ぼんやりネットを見ていたら首都圏に大雪が降り電車が止まったり行…

休みを告げられる心の準備はできていた

朝起きて「あぁ今日も仕事だ、嫌だなぁ」と眠い目を擦っていたら急に休みになる…なんてことがあるとしたら業績不振か何かで突然人員整理されることくらいしか思いつかないので、もし明日急に休みになったらどうする?なんて考えると一瞬胸踊るが心中穏やかで…

スロウで優しい

毎年のことだけど1月は仕事のスイッチが入らない。 やっと仕事モードに入ったかと思えば急にエンスト起こしちゃったりして。その度にどうにか仕切り直しを図るんだけどまたすぐに切れちゃう。コーヒーを飲んでもお茶を飲んでもだめ、うっかり酒でも飲んだら…

捨てると止める

今年の行動指針は捨てると止める。 このブログでも紹介したジョナサン・マレシック著「なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか」の中で引用されている「雑用の渋滞」という概念をもう一度振り返ってみると、ここ数年の僕は子育てと仕事に忙殺されて明らかに雑用が…

平山さんに会いたい

エンドロールが終わって最後のカットを眺めた後、架空の存在であるはずの平山にもう一度会いたくなった。 無口で愛想もなく、気の利いたことを言えるわけでもない一人の地味な架空の男がひょっとしたら身近にいるかもしれない。そんなリアリズムと期待を胸に…

インディゴと紙のラベル

手持ちのデニムがくたびれてきたので、新しいデニムパンツを買った。 インディゴブルーのザラザラした触り心地のデニムは、いつの時代も男子の心を掴んで離さない。退屈な社会に拘束された都市生活者から自由を満喫する一人の人間に戻るために必要な服なのだ…

海をあるいて帰ろう

仕事を片付けたふりをして電車の中で寝落ちしたのだと自分に嘯いて乗り過ごし、夕暮れの海を眺めてから帰る。 そういえば僕が小さい頃は軽トラックの助手席に乗せられて海によく連れて行かれた。配達帰りの昼下がりに畑道を抜けて、砂浜のちょっと手前で止め…

ボタンフライのブラックデニムを探す旅

去年買った無印良品のブラックデニムが早くもヘタってしまった。 これは無印良品がダメなのではなく、夏が過ぎると毎日のようにブラックデニムを履いてカメラをぶら下げひたすら長い距離を歩く僕の生活に無印良品のパンツが負けてしまったのだと思う。2本買…

うつくしき晩夏の浜辺

にっぽんの夏、地獄の夏がようやく去る。長く苦しい2023年の夏がやっと終わった。今年の暑さと湿度は本当に本当に…辛く、そして長かった。 6月の終わり頃から3ヶ月以上も地獄のような日々が続いたのだ。あまりの長い夏に食欲がなくなり子供の頃以来初めてあ…

週末のラジオがおもしろい

ラジオが好きだ。 芸人同士のいじり合いもなければ年寄りの政治論争もないし、画面を通してセットの安っぽさを感じることもないし同調を強いるようなテロップの垂れ流しもない。楽しく喋ってますから気になったら耳を傾けてくださいね、みたいなお気になさら…

暑がりの僕は無印良品の布帛Tシャツにいたく感動した

無印良品が作っている布帛(ふはく)Tシャツにいたく感動したので、感動の熱があるうちに書き残しておきたい。今日リピート買いに走ったらセール価格になっていて在庫僅かになってしまっていた。まだ今年の夏は終わってないのに。 布帛と書いて「ふはく」と…

なつやすみの思い出

ダムダムダム…ダムダム…ガコン…ザッ…ダムダムダムダム…ガッコン… ベッドに寝転がっていたら近所の子供がバスケットの練習をする音を遠くに聞きながら眠りに落ちていたらしい。リズム感のある音の反復は眠りの入り口だ。目を覚ますとリビングからは朝ごはんの…

冷たい雨の土曜日

雨が屋根を叩く音で目を覚ます。 ベッドから手を伸ばして床に置いてあるラジオのスイッチをつけたらチェコ少年合唱団の優しい合唱が流れてきた。 厚い雲を通して届く朝の光はいつもどことなくカラーネガ調で、憂鬱な気分になることもあれば優しく感じること…

春風のおもいで

2023年2月19日 曇り時々雨ごくまれに晴れ 春風ひどい。 春風吹き荒ぶ首都圏の天気は、曇ったかと思えば急に陽が差したり雨が降ったりで一日中落ち着かなかった。ほとんどの時間は曇天で、時々真っ黒な雲が地面に湿度を撒き散らすかのようにずっしりと頭の上…

光の粒をとらえるシネマフィルム

最近長巻フィルムを使う人が増えてきた気がする。 世の中的にはフィルムで写真撮ってる人なんて超少数派だしモノクロフィルムで写真撮ってる人なんてもはや絶滅危惧種として保護してほしいくらい少ないので、フィルムローダーを買って長巻デビューした人が増…

豚汁2.0

みんながあまり気づいていない(と勝手に考えている)二日目の豚汁の旨さについて。 寒い夜に啜る出来立ての豚汁は勿論美味いのだが、翌日に温め直した豚汁も実に美味い。鍋の底に残る煮崩れた野菜と豚肉の残骸が醸し出す旨味のカオスが脳を駆け巡るのだ。 …

秘密基地とマットレス

16年ぶりにマットレスとベッドを買ったらびっくりするほど生活の質が改善した話。 昔使っていたマットレスをフランスの友人に譲って以降ずっと家内のマットレスを寝床にしてきたのだが、先日引っ越しに合わせてもう一つベッドを買った。夫婦不仲ということで…

ベッドの中で過ごす週末

関東地方は冷たい雨の夜明け。久しぶりに耳にする雨の音は心地いい。 週末が雨だとちょっぴり残念な気分になるけど、この冷たい雨の中仕事に行かなきゃいけないことを考えると雨の音を聞きながらベッドの中でのんびりできる週末も悪くない。今週はとても疲れ…

言葉が溢れ始めた

師走の銀座をぶらぶらしながら行き交う人を眺め、自分の2022年を振り返っていた。 1年をマラソンに例えるなら、12月のこの時期はゴールに向けて最後の直線を走っているところだと思う。ヨレヨレになりながらゴールに向かっている人もいれば涼しい顔して走っ…

Flickrに日本語のフィルムグループを作ってみた

そろそろSNSは限界点に到達しつつあるのではないかと肌で感じている「いま」をどうにか言語化してまとめてみたら、強い言葉を使いすぎたせいか思いの外反応が無くてびっくりしている。表現の悪さは反省しなきゃいけないとして、大筋の主張に誤りがないと確信…

文章を書くこと、写真を撮ること、ブログを続けること

人類が文字を使い始めた歴史を辿っていくと、メソポタミア人が粘土板に楔文字を記した約5000年前に辿り着くらしい。粘土板から始まった文字の伝達は長い時間をかけて紙とペンに到達し、現代に生きる僕たちはプラスチックと金属で作られたでこぼこの板を指先…

2032年になっても愛用してるだろう

今年も残すところあとわずか。 一年を振り返りつつ買ってよかったと思うものを指折り数えていくと、「便利な何か」ではなく「使って心地よかったもの」だったことに気が付く。 10年くらい前はデジタル製品やガジェットめいたものを買っては屁理屈並べて喜ん…

猫が変えた人生

人生が変わった瞬間ってなんだろう? いまこうやって文章を書いている一瞬一瞬でも自分の身体は微小に変わっていて、今日一日を切り取ってもたまたま会った人や見聞きした物事によって僕らの人生って勝手にどんどん分岐していくものなのだと考えている。 ニ…

ものを書くことは自由なこと

日曜の夜にラジオから流れてきた言葉が脳裏に焼き付いたまま残っている。 このラジオだって僕一人では絶対にできません。ところが書くという行為は書くものさえあれば誰の手も借りずに完成させることができます。たとえ字が汚くても紙が安い藁半紙だったとし…

原点に帰って日常の写真を撮っている

拝啓 50mmレンズ様 今年の秋は日没時刻を除けば全然秋らしくなく、毎日がぽかぽか日和で半袖で過ごせる日々が続いています。 世の中の大多数がスマホで写真を撮るようになって以降、標準レンズの定義がどんどん広角側に寄っているような気がします。「標準レ…

やる気が出ない時はすぐに休んだ方がいい

私事だけど2022年は大波乱の年で、気分の落ち込みと超激務と身内(猫)の不幸が一気に押し寄せてきた。 死ぬかと思ったしこの世界からフェードアウトしてしまいたいとも思ったけど、ちゃんと乗り越えられるんだから人間という生き物は結構タフに作られている…

硬い靴を買った

新しい仕事も始まるしせっかくだから靴も新しいのにしようと探していたら結局Tricker'sに落ち着いてしまった。 フォーマルな靴だとかドレスシューズが苦手な自分にとってTricker’sのカントリーシューズは最高に好きな革靴だ。フォーマルにもカジュアルにも寄…

土屋鞄製造所のマネークリップに一目惚れした

駅の改札を抜けさぁどこかで昼飯でも食おうかと財布を取り出したら、財布の角が擦り切れて穴が空いていることに気がついた。10年近く使ったであろう今のお財布の寿命が遂に訪れたのだ。 とても良いお財布だったけど、穴が空いているのは縁起が悪いので新調す…