ラジオが好きだ。
芸人同士のいじり合いもなければ年寄りの政治論争もないし、画面を通してセットの安っぽさを感じることもないし同調を強いるようなテロップの垂れ流しもない。楽しく喋ってますから気になったら耳を傾けてくださいね、みたいなお気になさらず感が好きだし、自分の知らない世界の話をしてくれたり素晴らしい音楽を教えてくれるラジオ番組は貴重な存在だと思う。
もちろん芸人が喋り散らかす番組もあるけれど、テレビやYoutubeに比べて圧倒的に大人向けなコンテンツが多いのがいい。
あまりにラジオが好きなので2023年9月時点で僕の好きな週末の番組をだーっと並べ立てて紹介する。選考基準は新しい音に触れられる番組、知らない世界を垣間見せてくれる番組、聴いていて疲れない優しい番組なのでぜひチェックしてみてほしい。
首都圏の番組ばかりだけど、気になった方はぜひRadikoで聞いてみてほしい。
金曜日
22:00-23:00 Tokyo Crossover Radio interfm
Kyoto Jazz Massive沖野さんによる金曜夜のワクワクを纏った番組。金曜夜22時にぴったりハマる選曲が素敵でお酒が進むこと間違いなし。この時間に仕事してても沖野さんの選曲を耳にすると仕事は強制終了。どんなに忙しくても労働はここで終了。ちょっとテキーラ持ってきて！
23:00-24:00 Tokyo Moon Interfm
金曜日の深い時間帯にぴったりの新しくて気持ちの良い音楽のセレクト。少しほてった金曜夜の気分をチルアウトして土曜日の朝に向けて「整えて」くれる。そんな番組。「時代とジャンルを超えここではない何処かへいざなう1時間のサウンドジャーニー」そのもの。
明かりを落として、バスタブに張ったぬるま湯に浸かりながら聴いていたい番組。
「今日も一緒に音楽を楽しんでください、どうぞよろしく」から始まるのも良い。
土曜日
7:20-9:00 Weekend Sunshine NHK FM
重鎮DJピーター・バラカンさんによる土曜の目覚まし番組。
ジャンルレスでその回ごとのテーマに合わせて彼の膨大な知識の中から選曲される音楽がとても心地よい。ラジオの音楽番組はかくあるべきと思わずにはいられないオーセンティックな素晴らしき番組で、毎回夢と現実を行き来しながら素晴らしい音楽にハッとさせられる。1999年から続いている超長寿番組。
9:00-11:00 世界の快適音楽セレクション NHK
これも1999年から続いている長寿番組。
毎回「縫う」や「編む」、「畑」や「もふもふぬくぬく」といった変なテーマに沿ってセレクトしている音楽が快適そのもの。曲をセレクトした理由も面白い。パーソナリティのゆっくり喋る関西弁のトークも優しくて良い。バラカンさんの番組で目が覚めた後に二度寝するためにある番組かもしれない。気持ち良すぎて寝ちゃう。
15:00-15:54 BIBLIOTHECA J-wave
noteやtwitterでも示唆溢れる発信をしている山口周さんの番組。
毎回面白そうな本を取り上げて社会問題や潮流と合わせてわかりやすく紹介する一方、流す音楽の選曲も秀逸。面白い本のあらすじと趣旨がスッと頭に入ってくるので、本を読みたいけど面白い本がないな・・・という人におすすめ。
21:00-21:54 TIME AND TIDE J-wave
市川紗椰様の佇まいと喋り方が好き。
あの美しさで知性的なのにどちらもゴリ押ししてこない。トークに独特な空気感があってすごくラジオ向けなんだなぁ、本人もきっとラジオが好きなんだろうなぁって思わせてくれる番組。
22:00-22:54 CITROËN FOURGONNETTE J-WAVE
長岡亮介さんの「一人語り」という触れ込みの通り、まるで都会のはずれの静かな場所に停めた車の運転席から他愛のない一人語りをしているような番組。声と静寂で構成された雰囲気溢れる番組でとても好感が持てる。この番組を作っている人は間違いなく「間」だとか静寂に気を遣っているはず。
23:00-24:00 Nupholia 湘南Beach FM
マーセラス•ニーリーによるグルーヴに焦点を当てた番組。ひたすらにグルーヴィでファンクな1時間。この心地よさを説明するのは難しいのでマーセラスがアップした過去放送を夜中に一度聴いてみてほしい。NUPHORIA vol. 71/NUPHORIA vol. 81
日曜日
10:00-10:30 Nā Mele nahenahe 湘南Beach FM
10時にオープニングの音楽が鳴ると「あ、日曜日が始まったな」と感じる。のんびりしたハワイアン時間。石川さんの語り口も素敵。
12:00-18:00 Weekend by the sea 湘南Beach FM
海辺で聴きたいブラジリアンやR&Bが流れるお昼の番組。
何もすることのない、かといって出かける程元気のない日曜の昼間にソファに寝っ転がって聴くのがとても気持ちいい。日没時刻になるとしっとりした選曲になるのもいい。
18:00-20:00 Barakan Beat interfm
土曜日の朝に続くバラカンさんの番組。
オールド一辺倒ではなく新しい音楽もかかるし民謡クルセイダーズのような邦楽もかかる。常に進化するバラカンさんのプレイリストを覗いているような番組で常に新しい（古い）発見に満ちている。リスナー層も素晴らしい知識の方ばかり。
20:00-21:00 Travelling without moving J-Wave
非現実の週末から月曜日という現実に向き合い始めなければならない時間に一瞬の現実逃避をさせてくれる番組。Travelling without movingというタイトルの通りイマジネーションを旅立たせてくれる。週明けの憂鬱を野村さんの素朴な口調で語られる旅の思い出がほぐしてくれる。そんな優しい番組。トム・ウェイツがかかる程度に選曲も渋い。
ラジオを聴くための道具
紹介したラジオ番組は、Tunein経由で聴ける湘南Beach FMの番組を除いてRadikoで聴くことができるけど、RadikoもTuneinも通信状況が悪かったり位置情報が確認できないと容赦なく放送が途切れてしまうので、僕はクラシックな装いのTivoliの単機能ラジオを推したい。ラジオのスピーカーというとどことなくチープな印象があるが、このふたつに限ってはラジオを聴くにはオーバースペックなスピーカーを載せてるところがいい。
すっかりなくなってしまった単品オーディオのチューナーを埋める製品だと思う。
一見ベッドサイド向けかと思うとあまりの音の豊かさに裏切られることになる。ぜひ一度試してみてほしい。中音域に温かみがあって、小さな筐体から不自然なドンシャリサウンドを出す最近流行りのBlutoothスピーカーとは一線を画した魅力がある製品だと思う。
Radiko経由で聞くならBeats Studioがいいかなぁ。
あまり音を大きくできない賃貸物件でソファに寝っ転がりながら周囲の音を遮断して没入するにはいいヘッドホンだと思う。
Radiko派の人はラジ録を入れておくとラジオの録音ができるので便利。過去放送も録音できるので試してみたらいいかも。
素敵なラジオから流れる音楽を聴きながら送るスロウな生活は最高だ。
ラジオよ永遠に！
