今年の行動指針は捨てると止める。
このブログでも紹介したジョナサン・マレシック著「なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか」の中で引用されている「雑用の渋滞」という概念をもう一度振り返ってみると、ここ数年の僕は子育てと仕事に忙殺されて明らかに雑用が大渋滞を起こしていたし、批評と論争ばかりのSNSを眺めていつの間にか感情の渋滞にも巻き込まれていた。
雑用が渋滞を起こすまで膨れ上がってしまったのは、テクノロジーの進歩の結果なのだ。
買い物もイベントの予約もネットでできるようになったし、昔よりも単位時間あたりに実行できるタスクが増えている。本来ならばそれは可処分時間になり人は雑用から解放されるはずだったのに、この世界は余暇の時間を楽しむことではなく生産性を上げることに向かってしまった。
20年前は3人でやっていた仕事はいつの間にか1人でする仕事になり、「セルフケア」や「自分の機嫌は自分で取る」なんて耳障りの良い言葉を盾に自己責任のもとで大資本のために人生を削る方向に世界中が向いてしまったのだ。
そして中毒性を持たせるように設計されたSNSが、僅かに残った隙間時間に入り込んで僕たちの可処分時間をさらに蝕む。かくして僕たちはケージの中でディスプレイを眺めて暮らすモルモットにされてしまった。
渋滞に巻き込まれると自由に使える時間がなくなるばかりか、本人の想像以上に心身が疲弊する。知らず知らずのうちに僕たちは永久に終わらないランニングマシンに乗せられ、人生が見返りの少ない持久走にすり替えられているのだ。
僕の人生は子育てと仕事ではない。
もっと写真を撮りたいし自由でありたい。少なくとも心は何者かに囚われたくない。だから2024年はいろんな雑用を捨てることにした。無駄なものを1年かけて捨てるのは馬鹿げている。善は急げということで1月1日をもって以下を始めた。
- ネガティブなポストや人の揚げ足取りをするSNSアカウントに加担しない、無視する
- 焦燥感を煽る記事やポストは見ない、そのようなアカウントはブロックする
- 正義の押し売りもノーサンキュー、ブロックする
- SNSの返信は気分が向いた時だけにする
- iPhoneを触る時間を少なくする(これは中々にチャレンジングだ)
- 「べき」という口癖を「〜したらもっとよくなるんじゃない?」に変える
- 変わらない理由を探して足を引っ張る人から距離を置く、文句を言わずにどうしたら実行できるかを考える
- 仕事は50%程度の出力でやりくりする。本気を出さない。
- 上司の評価を気にしない。ダメ評価なら仕方ない。殺さば殺せ。
- 仕事に余計なサービスをしない。上司にサービスすることをやめる。
- 写真にフォーカスする。もっと撮ってもっとプリントする。
いろんな無駄を捨てる代わりに今年は人との関係をもっと作っていきたい。
子育てが始まって以降夜遊びもできず遠出もできず、コロナ禍を挟んで気がついたら人との縁がほとんど切れてしまった。退屈な仕事関係ばかり残ってみんなどこかに消えてしまった。今年は写真関係はじめ、人との関係をリスタートしたい。できればどこかでプリントを展示したい。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今週のお題「2024年にやりたいこと」