analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

うつくしき晩夏の浜辺

にっぽんの夏、地獄の夏がようやく去る。
長く苦しい2023年の夏がやっと終わった。今年の暑さと湿度は本当に本当に…辛く、そして長かった。

6月の終わり頃から3ヶ月以上も地獄のような日々が続いたのだ。あまりの長い夏に食欲がなくなり子供の頃以来初めてあせもに悩まされることになった2023年。


風鈴が吊り下げられた軒下からもくもくと広がる入道雲を眺めながらすいかを食べている…なんて牧歌的な夏は遠い夏の記憶であり、もはやファンタジーなのだ。

アスファルトとコンクリートと安っぽい樹脂製の建材に囲まれた現代の東京にはあんな美しい夏は存在しない。

場所は移り変わって鎌倉。

まるで引き潮のように夏の気配が遠のくと途端にビーチの喧騒が消えていく。
はるばる遠くからやって来たトンチキな人々がいなくなり海の家が解体されたあたりが一番気持ちの良い、夏の残り香を全身で感じることができる季節だ。

きらきら光る水面と暖かい風、子供のはしゃぐ声、犬同士の喧嘩が潮騒に包まれて絡め取られ優しい時間に溶けていくさまをモノクロフィルムに収めながら歩く。
2023年の秋がようやく始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真はすべてLEICA M6とSummicron-M 50mm F2あるいはSummaron-M 35mm F2.8、Eastman Kodak 5222 Double-Xで撮影。

今週のお題「急に寒いやん」