analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

原点に帰って日常の写真を撮っている

拝啓 50mmレンズ様

今年の秋は日没時刻を除けば全然秋らしくなく、毎日がぽかぽか日和で半袖で過ごせる日々が続いています。

世の中の大多数がスマホで写真を撮るようになって以降、標準レンズの定義がどんどん広角側に寄っているような気がします。「標準レンズ」なんて言葉自体がカメラ業界の中だけで生きているものになってしまった感すらある最近ですが、いかがお過ごしでしょうか?

最後にお会いした日からまた長い時間が経ってしまいました。またあなたと一緒に真っ赤に染まった秋の山を、夏の海をぶらぶらあてもなく歩く日が来ることを楽しみにお待ちしています。

敬具

LEICA M6/Summicron-M 50mm F2/Eastman Kodak Double X

LEICA M6/Summicron-M 50mm F2/Eastman Kodak Double X

LEICA M6/Summicron-M 50mm F2/Eastman Kodak Double X

LEICA M6/Summicron-M 50mm F2/Eastman Kodak Double X

N0702022-Explored

LEICA M6/Summicron-M 50mm F2/Eastman Kodak Double X

社会復帰して以降、新しい職場と仕事に追いつくために必死で働いている。

その仕事のスキルがあろうと経験があろうと新しい職場にはそれぞれ暗黙のルールがあって、力関係だとか人間関係がある。出過ぎぬよう無能と言われぬよう、アンテナと感度を全開にして目にするものや耳にすることを細大漏らさず取り込んで思考を続けている。マジでメンタル激耗

 

仕事の現在地点がそんな状況なので、ここ1ヶ月くらいは肩の力を抜いて写真を撮るようにしている。

撮る前からテーマや機材を考えたり遠出することをやめて、あぁこれ面白いと思った身近なものを撮って後から何が面白かったのかを考える、そんな撮り方。

作品を撮ろうと気張らずにテキトーに面白いものを撮っていくだけなのだが、これがとても楽しい。というかそもそも写真の面白さってこの気楽さだったのだ。そして、そんなに遠出しなくても面白い物事は身の回りにたくさん転がっているのだ

機材を選ぶのも疲れるので、先日復刻がアナウンスされたM6に50mmレンズをつけて毎日の生活の断片を切り取っていく。詰めるフィルムはEastman Kodak Double X、レンズはSummicron-M 50mm 4thに決めた。いつも棚の奥にしまわれていたこのレンズを連れ出してあげなきゃ可哀想だと思ったから。

 

久しぶりに引っ張り出したこのレンズはちょっと埃をかぶっていた。

ここ数年50mmの出番がとても少なかった理由はスマホのせいじゃないかって考えている。

スマホのカメラが僕らの生活にあまりに入り込みすぎてしまったことで、僕らの脳内の焦点距離が無意識に25-30mmあたりで固定されてしまったのだ。結果として28mm-35mmあたりが一番心地よい距離感になっていて、標準と呼ばれてきた50mmレンズをつけると「うわぁ、狭いなぁ…」って感じてしまうのかもしれない。

とはいえ50mmは本気で写真と向き合い始めた頃に最初に買った単焦点なので、もう一度この距離感に慣れてくると実に心地良い。

Summicron-M 50mm 4thについて

APO-Summicronの影に隠れて存在感の薄いレンズになってしまった感がある4th(現行)Summicron-M 50mmだが、その光学性能は未だに素晴らしいものがあると思う。恐ろしく解像するのだ。TmaxやACROSを入れるとびっくりするような解像感を感じることがある。

新しい設計のAPO-Summicronと比べれば当然性能の差はあるが、フィルムで撮るなら差額分の価値はAPO-Summicronにはない。解放で撮った時の後ボケがAPOの方が綺麗ではあるけど。使って気になった差なんてそれくらい。

むしろ1950年代にここまで素晴らしい基本設計を完成させていた無印Summicronが奇跡的なのかもしれない。

開放から恐ろしくシャープなのだ。それでいて諧調も素晴らしい。

他社製品と比べれば明らかに高価ではあるもののSummaritを除けば現行ライカのレンズの中で一番手が出しやすい価格帯なので、金策に走ってでも買う価値はある。金属とガラスだけで出来たレンズなのできちんとメンテしておけば半永久的に使えるわけだし。

HASSELBLAD 907X/XCD 45mm F4

参考記事

blog.goo.ne.jp

coalfishsholco.hatenablog.jp