analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

おいでよ、中判フィルムの世界。

タイムラインに流れてきたLOMOGRAPHYのリリースに我が目を疑った。なんと中判フィルムの「値下げ」なのだ。何度見直してもそこには値上げの文字はない。本当に値下げなのだ。

僕たちフィルムユーザーは毎年のように釣り上げられるフィルム価格に落胆し、暗い未来にばかり想像を巡らせてきた。ずっと使っているKodak Portra 400なんてアメリカの価格でさえ2010年から2023年の間になんと2.5倍になってしまったし、1本680円で買えたフジのACROSも3.2倍まで高騰した。なくなってしまったフィルムもたくさんある。ずっと値上げの話しか聞かされていないので、この値下げも初めはまったく信じられなかった。まるで岸田自民党が口にする「減税」のように。

モノクロのPotsdamが1本780円なのはありがたい。

中身はORWO UN54と聞いたことがあるのでクオリティは間違いないはずだし、この値段は数年前のAcros100と同程度だ。近所のカメラ屋でPotsdamの横に置いてある1本2000円近いAcrosを見て「お前、変わっちまったな…昔はあんなにいい奴だったのに…」と残念な気持ちが昂り胸焼けがしたので、気分をリフレッシュすべくカラーネガCN400をレジに持っていった。

初めてのロモ製品、ほとんど使わないカラーネガ120フィルム。急いで2ロール撮って現像に出したので、どんな仕上がりになるかは近日中に。

 

中判にはまだフィルムのメリットがある。

昨年アレック・ソスが8x10フィルムで撮った写真を見た時にディテールの密度と色の豊かさに驚いたんだけど、やはり受光面積の大きさは立体的な迫力に繋がるしフィルムは色の豊かさに寄与している。現代人がデジタルカメラで撮った写真にせっせとフィルターをかけてしまうのは色の豊かさを求めているからではないだろうか。

残念ながらデジタルセンサーは645と同じサイズまでしか作られておらず、その価格はなんと600万円もする。そして近年のフィルム高騰で中判フィルムカメラはあまり値上がりしていない。

そんな今だからこそロモの中判フィルムの値下げをきっかけにぜひとも中判フィルムカメラを手にとってもらいたいなぁ、なんて考えている。シュナイダーの素晴らしいレンズを載せたローライコードなんてまだ5万円程度で買えてしまうのだから。

さぁ、おいでよ、中判フィルムの世界に。