ここ最近カラーネガフィルムをよく使っている。
仕事と私生活が忙しすぎるからか、週末は何も考えずにカメラと財布を持って目的もなくぶらぶらすることが多い。
そんな目的のないぶらぶら歩きの時は35mmをつけたライカをぶら下げることにしている。
月曜から金曜の仕事で身体も精神もいい加減疲れちゃってるので、レンズを何本も持ち歩くのは邪魔だしフィルタ類を持ち歩くのは面倒臭い。
そう、荷物を持つことが面倒くさいのだ。予定に縛られることも嫌なのだ。
35mmという画角とM型ライカは、そんな「何にも考えない散歩」の時にとても良い感じなのだと思う。
LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400
LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400
HASSELBLADにモノクロフィルムを詰めて散歩していると、どうしても「何か面白いものを撮らなきゃ」みたいな、作家然とした変な気負いを感じちゃうんだけど、フィルムライカに古レンズをつけてカラーネガを詰めるとそんな気分にならない。
もう肩の力が抜けきっているというか、頭が脱臼した状態で写真を撮れるのが良いのかもしれない。
この脱力感がカラーネガの「ゆるい」感じと重なることで、眺めていて心地の良い写真が撮れていると思う。
LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400
LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400
久しぶりにSummaron-M 35mm F2.8とカラーネガの組み合わせで写真を撮ったけど、このレンズからは全然古臭さを感じない。
ピント面は非常にシャープだし色乗りも良い。本当に1960年代のレンズなのかってくらい素晴らしい描写をする。
鏡筒の作りも恐ろしく手間がかかっていて、このためだけに手元に残しておきたい。
最新の35mmと比べたら性能は劣るのかもしれないけど。
LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400
LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400
好きとはいえ、カラーネガだっていつまで使い続けられるかわからない。
カラーネガのゆるい空気感が好きだと言っても、Portraの値上がりも恐ろしいものがあるので、そろそろカラー写真はデジタルに移行する時期なのかなとも思い始めている。
先日とある機会があり、M10とApo-Summicron 50mmで数カット撮らせて頂いたのだが、この組み合わせがあまりに素晴らしく、シャッターフィーリングとアウトプットがたちの悪い棘のように私の記憶に刺さっている。
そして困ったことに、手持ち機材で写真を撮るたびにこの棘がいたずらに私の欲望を刺激するのである。
さぁ、明日はどこに行こう。