analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

カラーネガフィルムに帰る

もうカラーネガはダメだ、あの値上がりに付いていけない!

そう思い2021年の初旬にHASSELBLAD 907xを買いカラーはそちらに全て集約することにした。

その後カラーネガの供給不足が起こり、もう一段値上がりが起きてポートラ400の国内価格は5本で¥18,800という気狂い沙汰に到達した。心なしか現像代も上がった気がするし納期も伸びたような気もする。数あるデジタルカメラの中でも907xは色の表現が飛び抜けて素晴らしいので、あの時期にカラーネガを捨てる判断は間違っていなかったと思う。

N0142022

HASSELBLAD 907x/XCD 45mm F4N0572022

HASSELBLAD 907x/XCD 45mm F4

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HASSELBLAD 907x/XCD 45mm F4

これだけ撮れたらなんの文句もない…はずなのだが、どうも僕はポートラに戻りたいらしい。

今年の春先からゴールデンウィークにかけて、親しい人の結婚式やお花見のようなイベントが目白押しだったので久しぶりにポートラを10本買って写真を撮っていた。

記憶の中の春の空っていつもふんわり霞んでいて、そのくせ空気はカラッと透き通っている。爽やかな季節なのに視界がしっとり曇ってるような感じ。そんな「しっとり感」をどうにか写真に残しておきたくてポートラをまとめ買いしたのだが、上がってきた写真を眺めてやっぱりこの季節はフィルムだなぁ、なんて考えている。

曇りの日や雨の日の写真はより湿度を感じるし、春霞のかかったような青空は記憶の中の5月の空だ。135フィルムなのでディテールの緻密さはデジタルに敵わないけれど、色味や空気感、しっとり感はもう断然ポートラ。

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400

N0242023

LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400

N0222023

LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Kodak Portra400

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LEICA M6/Summicron-M 50mm F2/Kodak Portra400

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LEICA M6/Summicron-M 50mm F2(RIGID)/Kodak Portra400

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LEICA M6/Summicron-M 50mm F2(RIGID)/Kodak Portra400

N0292023

LEICA M6/Summicron-M 50mm F2(RIGID)/Kodak Portra400

カラーネガなんて金食い虫だしハイライトさえ気をつければデジタルで撮ってフィルター噛ませればそこそこフィルムっぽい写真を作ることはできるので、理屈の上ではフィルムを続ける理由ってあまりない。

一方でフィルムっぽい雰囲気では片付けられない何か、理屈を超えた豊かさがフィルムの乳剤面にはまだ残っているのだ。これも間違いない。それを説明しようと多くの写真家が交わした不毛な口喧嘩には入りたくないけど。

いま僕が言えることは「フィルム写真とデジタル写真は別物です」ということくらいだろうか。白の中に明確な白がなく、黒という要素が存在しないという決定的な違いがフィルム写真をより魅力的にしているのだと考えている。やっぱり僕はフィルムの豊かな色が好きだ。

filmmer.hatenablog.com

カラーネガフィルムの楽しさにまた目覚めてしまった。財布に穴が空いた気分だ。金策どうしよう。