analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

フィルム風に仕上げるフィルターの話

あまりにもコストが高すぎてカラーネガフィルムで写真を撮るのは無理だ。

そう誓って(言い訳して)GRIIIを買った筈なのに、気が付けばカラーネガの色乗りのよさと表現力を手放すことができずにずるずると買い続けている。あまりにも高いから最近は使う前に神棚に飾って「どうかいい写真が撮れますように」とお願いしてから開封したりして。

特にPortraはドル円のレートの悪さと相まってB&Hから買っても高いし逃げ場のない感じ。

唯一の逃げ場はAmazonが売っている¥12,000のPortra400。量販店価格では到底買えない。競争力のない日本円が憎ったらしいし、この逃げ場もいつまであるのだろうかと思うとなんだか心細い。

やっぱりフィルム写真は面白い。

小さい頃から慣れ親しんできたフィルムの色味や粒子感が好きすぎて、デジタルっぽさが鼻につくGRIIIの出番がめっきり減っている。写真なんてそもそもファンタジーなんだから隅から隅まできっちり写っちゃったらだめなのだ。

小さくて軽くてよく写るGRIIIは素晴らしいカメラであることは間違いないしこのまま出番なく飼い殺しにするのは勿体無いのでDxO FIlmPackを使ってDNGファイルにフィルム風のフィルタをかけてみたらとても良い仕上がりになった。初めは遊びの延長だったけどいつの間にかのめり込み始めたのでこれは真面目に取り合わなければいけないだろう。

世の中にはフィルム風フィルタをかけられるスマホアプリが山のようにあるけど名作フィルム名を冠しているDxOのフィルタの本気度は段違い。スマホアプリのフィルタなんて話にならないクオリティの高さがある。以下作例を見てほしい。

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Portra400>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Portra400>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Portra160VC>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Portra160NC>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Portra160NC>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Ektar100>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Ektachrome100>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Ektachrome100>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Ektachrome100>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6  Fomapan100>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Adox Silvermax21>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Kodak Tri-X400>

<Original GRIII DNG-------Filmpack6 Fomapan100>
このFilmPackはとても良くできている。
Fomapan100ってもうちょっとドスンと暗部落ちなかったっけ?とかもっと粒子が荒れてるはず…とか、画面全体が整いすぎているとか細かいことを挙げていけば沢山あるんだろうけど、個人的にはそれぞれのフィルムのキャラクターをとてもよく反映していると思う。モノクロ写真に関しては現像液が違えば結果が違うし、現像温度やら攪拌のお作法でもコントラストや粒子が変わってくるので細かい差はあまり気にならない。
SilvermaxやSCALA、Portra160なんか結構いい線行ってるんじゃないだろうか。フィルム名を冠したフィルタだけあって世にあるお手軽フィルム風スマホアプリよりも良いのは当然として、VSCOよりも忠実にフィルムを再現していると思うんだけど、どうだろう?
何より好印象なのはDxOの製品がサブスクではなくて買い切りだというところ。スマホアプリになってしまったVSCOですら毎月いい金額を取るサブスク制なので、このFilmPackのクオリティを考えたらPortra1パックと同じくらいの¥14,900はかなり良心的だと思う。

 

 

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