analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

インディゴと紙のラベル

手持ちのデニムがくたびれてきたので、新しいデニムパンツを買った。

インディゴブルーのザラザラした触り心地のデニムは、いつの時代も男子の心を掴んで離さない。退屈な社会に拘束された都市生活者から自由を満喫する一人の人間に戻るために必要な服なのだ。

今回初めてResolute 710というデニムパンツを買った。下ろす前に写真を撮っていたらとても素敵だったので写真と共に思うことを書き残しておこう。

デニムパンツの腰に付くラベルは紙製が好きだ。

革パッチのブニブニしたゴムのような手触りよりも、厚紙のガサガサした手触りが好きなのだ。子供の頃に母親にねだって買ってもらった501に付いていたラベルはシワシワになった紙製だったし、デニムパンツのパッチごときに動物の命が犠牲になるのは解せない。そしてパッチというよりラベルという方がなんかしっくりくる。

Resoluteの決め手になったのがこの紙のラベル。やっぱりこの手触りがいい。

 

真っ黒に見えるくらいのインディゴブルーに走るオレンジ色の縫製。

15oz以上の生地があちこちで使われている現代においてスタンダードな14ozの生地。初めて買ってもらった501も14ozだったし、これくらいが一番デニムらしいと思う。ムラ糸が飛び出していて硬さが残っているデニムは素敵だ。

そしてここまで寄れるGRIIIの便利さよ。

 

ポケットの生地が良いと安心感がある。

寒い日にポケットに手を入れる時、優しい手触りだとほっとするからポケットの布地ってすごく大事だと思ってる。日本のデニムメーカーはポケットの布地をきちんと作ってくれるところがいい。

 

ちょうどいいヘタリ具合になった先代デニムパンツと並べてみる。

4年間履いた先代はクラシックな生地とディテールを残してモダンなシルエットに仕上げたシュガーケーンSC42021。あまり話題にならない製品だけどクラシックな生地を使いながらスリムテーパードに仕上げていて、2020年代のスタンダードを作る!みたいな意気込みと良心的な価格がとても良かった。A.P.C.のプチニュースタンダード程極端じゃない適度なスリム。

新しいResoluteはまだのっぺらぼう。これから長い間よろしくね。

 

履いた人目線で眺めるシルエットはこんな感じ。

このブランドはプロモーションの対象が中年男性に偏りすぎている気がするので、アメカジおじ向けの野暮ったいシルエットだったらどうしよう…と心配していたんだけど、試着してみたら「おじ臭」はあまりなかった。

海外メーカーを先頭に猫も杓子もスリムテーパードって時代が長く続いちゃったので、むしろ710の腰から膝までは少し絞って…そこからストンと落ちるストレートシルエットは時代が巻き戻った感じで新鮮さがある。

スリムテーパードが良ければA.P.C.かRRL、締め付けられることに疲れたらResoluteみたいな棲み分けにしようと思う。

Resoluteには朝起きて何も考えずにパッと履いて散歩に行くような、そんな気軽さがあっていいし前二者と違って洗えばきちんと縮むのもいい。ただ…もうちょっと裾が細いパンツも出して欲しいな。

写真は全てGRIIIで撮影、DxO FilmpackでPORTRA160NCを適用

 

一通り撮ったデニムの写真を眺めながらGRIIIっていいカメラだなぁって思う。

DxOのフィルターもとても良い。GRIIIにプリセットされているネガフィルム調フィルタも優秀だけど、フィルムシミュレーションを専業で作っているDxOのクオリティは一味違う。アプリケーション本体のPhotolabも買い切り型なので、このプラグインが気になる人やLightroomAdobe税に悩んでいる人は移行すると幸せになれるかもしれない。サブスク課金は精神的に不健康だから。

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