写真フィルムの値上がりが止まらない。
せっかくフィルム写真が見直されるようになり若い子達が楽しそうにフィルムで写真を撮っているのに、えげつない勢いで値段を切り上げ続ける大人の世界は酷い。こんな夢も希望もない非情なフィルムの世界に一筋の光を投げかけてくれる蜘蛛の糸がこれ。フィルムローダー。
本棚に並べてもインテリアに馴染みそうなころんとした見た目が素敵。
長巻のフィルムをダークバッグの中でこいつに詰め、使い終わったフィルムの端にセロテープで止めて巻いていけば1本あたりの費用をかなり節約できる。
100feet缶で18本分取れると控えめに計算してもFomapan100なら1本あたり¥418*1だし、Tmax400なら8.3USD*2くらいになるので200-300円程度節約できる。400feet缶で売っているモーションピクチャーフィルムのKODAK5222を写真用に転用するとさらに安くなり1本あたり4USD*3で使える計算になる。
400feetを100feetに小分けする工程が必要になるけど、Cinestillが1本13.99USDで売ってるフィルムだということを考えるとものすごくコスト圧縮ができることになる。
モーションピクチャーフィルムを使った時の美しい仕上がりは体験していたので、今回はKODAK5222ではなく同じく映画用に作られているORWO UN54を買ってきた。ORWOは戦後東側に接収されたアグファが母体のブランドで現在も映画フィルムを作っている。去年公開されたROLEXのプロモーション動画もORWOの16mmフィルムで撮影されているとのことで、グレートーンがとても美しく仕上がっている。
100feetを36枚撮りパトローネに巻き直した時の単価は1本あたり¥460程度なので、気楽にシャッターを切れるのがいい。このフィルムを詰めて海の街をぶらぶら一日歩いてみたけど、1本あたりのコストは安いのに写真のクオリティは抜群に素晴らしかった。
写真は全てLEICA M6とSummaron 35mmで撮影しSilversalt現像液で現像した。攪拌を少し多くしただけでネガスキャンした後にトリミング以外の調整はしていないにも関わらず、これだけバリっとモダンな仕上がりとなったことに驚いている。
この作例を見てORWO UN54を使ってみたいけどローダーないしなぁ・・・という方がいたらLomographyのPotsdam 100をお試しいただきたい。聞くところによると中身はUN54らしいので。
今回はISO100のUN54のレビューだったけどORWO製のISO400も素性は良さそう。ORWO N74とニコンで撮ったインドの風景がとても素敵だったので以下のEMULSIVEの記事も参考にしてみてください。