世の中が「2025年に買った良かったもの」を話題にしているので、本ブログは逆張りして「今年手放してよかったもの」についてお届けしようと思う。
どんどん新製品が出て新しい分野が裾野を広げる時代ではないし、珍しいものだってあっという間にSNS経由で広まって陳腐化してしてしまう現代において、今年買ってよかったものをまとめてもアフィリエイト記事にしかならないし*1、飽食で情報過多の世の中においては「手放してよかったもの」の話題も同じくらい、もしかしたらもっと重要なのではないだろうか。
- 1. Eastman Kodak Double-X/Vision3
- 2. SNS、特にX
- 3. 毎晩酩酊するまで飲む癖
- 4. 明後日や来週のことをあれこれ考えて心を擦り減らすこと
- 5. HASSELBLAD 907X
1. Eastman Kodak Double-X/Vision3
手放したというより「手放す以外の選択肢がなかった」ものだけど、結果的に手放してよかった。
だって製造元のイーストマンが、金輪際映画フィルムを一般消費者に売らないって決めちゃったんだもの。東南アジアあたりの詰め替え業者が悪いのは明白だけど、元締めが「もう売らねえ」って決めちゃったなら仕方ない。
試行と熟考を何週間か続けた結果、モノクロフィルムはFomapan200に移行した。
同時に新しい技術で作られたレンズと新しい設計の現像液に変え、現像の手法も公式の手法からかなり変えたものにした結果、よりモダンな描写になったようでDouble-Xを使っていた頃よりも結果に満足している。
Fomapanはクラシックなフィルムだけど、2015年に乳剤の設計を見直しているし、レンズや現像液の影響も大きいかもしれない。1959年設計のフィルムに古いレンズと古い処方の現像液使ってたら、そりゃ古い写真になるって。
カラーネガはVISION3からORWOに移行しようとして断念した。
ORWOが東南アジアの詰め替え業者御用達になったのか永遠に在庫がないし、VISION3に比べてやたら高いしで持続性がなかったから35mmカラーネガは諦めてデジタルに移行した。中判は引き続きPORTRAを使っているが35mmカラーネガフィルムは卒業。
VISION3は決して悪いフィルムじゃなく、むしろ素晴らしい再現性を持っていたがために「なぜフィルムで撮るのか」という問に答えられなくなってしまった。
手間暇のかかるフィルムだからこそ、「なぜ?」に答えられなくなったら終わりだと思う。それでも使い続けるのは資本主義の奴隷ではないだろうか。
2. SNS、特にX
Xをやめたのが2024年だったので、2025年にやめたものリストに入れるのは憚られるものの、あの安っぽいポジショントークの汚らしい口喧嘩対戦台の住人と触れ合わずに済むことに清々しているので、結果的によかったと思う。
嫌なもの汚いもの、浅はかなものを視界に入れないようにすれば、人生は明るくなる。
やめたところで世の中の流れに付いて行けなくなったかと言えばそんなことはないので、他のSNSもどんどん閉じちゃおうと思うのだが、instagramも閉めちゃおうと思ったところで少し躊躇っている。
写真にしても文芸にしてもSNSを足掛かりにしてデビューするような今の世の中において、僕の場合はXでもinstagramでも大した結果を残せなかったので、世の中に評価される写真を撮れないと諦めた一方で、写真関連で繋がってる人との連絡に困るのは如何なものか。
いっそのこと全部やめてしまった方が気楽なんだろうけれど、これは来年の宿題。
3. 毎晩酩酊するまで飲む癖
どれくらい飲んでるんですか?って問いに対して「毎週びん缶ごみの日に、うちの缶ゴミで集積所のコンテナが半分埋まるくらい」って回答すると大体呆れられるんだが、これは紛れもない事実で、なんなら人が遊びにきた週は我が家だけでコンテナをひとつ埋めてしまったことすらある。
そんなどうにも止まらない飲酒癖なのに、今年の夏あたりから酒量が減ってきた。
なんか…ビールが美味しくないの。あまりに美味しくないから病気かと思ったけど、日に日に体調が良くなり体重も減って、朝起きて午前中使い物にならない日もなくなり健康体になったので、もしかしたらお酒に飽きてしまったのかもしれない。
まだ完全にお酒やめたわけじゃないし、多分どこかで酒量が戻る気しかしないんだけど、毎晩飲みまくるのを一旦卒業したら世界が少し明るくなった(と思う)。
4. 明後日や来週のことをあれこれ考えて心を擦り減らすこと
いい歳して今更そんなこと言うの?って言われたら赤面して靴の先を見つめるしかないのだけれど、人間って歳を取るごとに繊細になっていくものだと確信している。
嫌な人や会いたくない人、暗い材料ばかりの未来ばかり直視していても心が擦り減るだけなので、今年の夏くらいから考えることをやめた。
世の中的には未来をきちんと考えなさいと言うし、仕事場に行けば中期長期で目標設定をさせられる。どちらの意見もごもっともなんだけど、社会人になって以降ずっと嵌められたままの首輪を一旦外し、目線を「いま、今日のこと」だけに落としてみると、とても気分が楽になる。
今日は天気がいいな、とか子供が楽しそうにしているな、とか。陽だまりでうたた寝している猫から毛くずが舞ってるな、とか。五感を通して「いま」を感じると色んな気づきがあるし、今日は何を食べようか、どこに行こうか、どんな本を持って行こうか考えるのもいい。
とにかく心配事を今日より先に求めないこと。
先日ラジオを聴いていたら、鈴木ジェロニモ*2が「マインドフルネスとはいまここにある現在に集中すること。椅子に座っている、あたたかい、靴紐がきつい…みたいなこと」と表現していたけれど、それってストリート写真を撮っている僕たちがいつも感じている「いま、ここにいること」と凄く似ていると思う。
5. HASSELBLAD 907X
色再現はとても自然だし独特で深い、すごいポテンシャルのカメラだけど自分の用途に合わなくなってしまった。
首から下げているとクルクル回ってしまうこととフォーカスの遅さに我慢できず、ちょうど35mmカラーネガを卒業する踏ん切りがついたこともあり手放した。907Xは使いづらかったけど、将来お金持ちになったらX2Dをまた買うかもしれないな。
今週のお題「買ってよかった2025」
*1:本ブログも広告を貼ることがあるが、本当によかったもの美しかったもの以外は貼りたくない。
*2:鈴木ジェロニモ未経験の方はこちらを参照。https://www.youtube.com/watch?v=Dg1eeoD7op4


