analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

デニムのポートレイト

デニムが好きだ。

素気ない真っ黒な生デニムがたくさん積まれている姿も好きだし、時間をかけて段々ヨレてくる感じも好きだ。穿いているうちクタッとしてくるのに芯が残っている頑丈なところもいい。柔らかくなったかなと思い洗濯するとまた強面に戻る感じも好きだ。風呂上がりの熱った身体に纏わせるデニムの感触も良い。

とりわけボタンフライのデニムが好きだ。

整然と並べられた金属片が綺麗に噛み合っていくジッパーフライはどことなく満員電車に詰め込まれた社畜のようで好きではない。ボタンフライの素朴さが良い。機械式のフィルムカメラに通じるシンプルな良さがある。

デニムは自由だ。

理由は判らないけどそう感じる。私は私なのだ、取り繕わなくてもいいし素のままでいいと思わせてくれる。洗っても洗ってもへたらない強さがそう感じさせてくれるのかもしれない。

N0282022

HASSELBLAD CFV50cII/XCD 45mm F4P

関東地方は急に春めいてきたので、暑がりの僕はそろそろデニムとお別れしなければいけない。

去年の秋から穿き始めたデニムをきれいに洗濯した後HASSELBLADで撮った。きれいに糊付けされお店の棚に平積みされていたデニムから表情めいたものが出始めた頃の素描のような写真。

フィルムで撮った分は後で現像するとして、XCDレンズとCFV50cIIの描写は非常に硬くて良い。インディゴブルーを強調したかったけど、モノクロームで残した方がデニムの強さが際立っていい。

色表現が素晴らしいと評判のカメラで撮った写真をモノクロームにしてしまうのは勿体無いといえばその通りだけど、個人的にはこのモノクロームが良いと思う。

どうだろう?