analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

Fomapan100は再考の価値があるかもしれない

先日入手したFlektogonで禁断のM42レンズ沼に一歩足を踏み入れた。

前回の記事ではXpro1にマウントアダプターを噛ませて現代の設計で製作されたレンズであるXF35 F1.4との簡単な比較を行なった。

とはいえこのblogはアナログ写真について記すものなので、この度Pentax SPを追加で購入しFlektogon 35mmがどんなネガを作ってくれるのか試してみた。

N212021

 Pentax SP/CZJ Flektogon 35mm F2.8/Fomapan100

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Pentax SP/CZJ Flektogon 35mm F2.8/Fomapan100

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Pentax SP/CZJ Flektogon 35mm F2.8/Fomapan100

現像終えて吊るしたネガを眺めながら抱いた違和感は、ネガをスキャンして確信に変わった。

自分の中でずっと抱いていたFomapan 100の印象とちょっと違うのだ。

Fomapan100といえば、粒子が荒く中間トーンがそれほど豊かでもなく、ハイライトとシャドーすとんとすっ飛んでしまう安かろう悪かろうフィルムというのが自分の中のイメージだった。

東京オルタナ写真さん初めほとんどの人が同様の感想を抱くようなので、多分自分が抱いていた印象はあまり間違っていないと思うのだけど・・・なんか今回は様子が違う。

水を通して届く陽光がとても生き生きとしているのだ。

 

以下の2点はArista Edu(Fomapan100)で撮ったものだけど明らかにトーンが違う。

N0132019

LEICA M6/Summicron 50mm F2/Arista EDU100N0112019  

LEICA M6/Summaron 35mm F2.8/Arista EDU100

黒がいい締まりをしているとかではなく、暗部がスコッと抜けてしまい残った中間トーンがどんよりしているとてもFomapan100らしい雰囲気。

今回撮ったロールの中でとてもFomapan100らしい描写だと感じたのが次の二枚だけど、ハイライトもシャドウも恐ろしい落ち込みをするわけでなく、うすらぼんやりと残っている。

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Pentax SP/CZJ Flektogon 35mm F2.8/Fomapan100

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Pentax SP/CZJ Flektogon 35mm F2.8/Fomapan100

レファレンスとなるArista Eduは確か現像所に現像をお願いしたものなので、どんな現像液を用いてどのような現像をしたのか判らない。

一方今回のFomapan100はSilversalt現像液を用いて自宅で現像したものなので、もし乳剤設計が変わったのでなければ、FlektogonかSilversalt現像液がこの結果に寄与したのは間違いない。

いささか乱暴な推論だけど、SPUR Silversalt現像液と組み合わせたときにFomapan100は日光を強烈に受ける被写体の素材感をよく拾い上げるのかもしれないと思った。

今回の結果であれば水の波紋、勢いよく落ちる水が作る水盤の混沌、水盤ごしの床材の素材感を非常によく拾っている。

一方で日光が弱い曇天や夕暮れ間近の写真は非常に陰鬱で、どんよりとしたグレートーンとなるようだ。

この試写でFlektogonが素晴らしいレンズだということは確信した一方で、Fomapan100について新たな一面を見た気がする。

10本ほど買って、もう少しこのフィルムの理解を進めてみよう。

Flektogonのレビューはまだ少し続きます。次回はカラーネガの予定。

もう少しお付き合いください。