analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

やさしさ不足の社会

この気持ちは何だろう。

朝起きてから夜寝るまでずっと気分がソワソワしていて、人間関係はギスギスしている…ような気がする。寝ても覚めても何かに追いかけ回されているのに、追跡者の顔を見てやろうと振り返るとフワッと姿をくらまされるような感じ。

 

夜に灯りを消して一人考えてみる。

今日一日の自分の行動、喋ったことや他人から言われたことを思い出して分解してみると、トラブルなんてどこにもなかったし、誰から咎められたこともなかった訳だから実際にはギスギスしている人間関係なんてものはどこにもなかった筈なのだ。

それでも何かが気になってしまうのは、仕事仲間の些細な一言や表情、たまたまネットで目にした記事の一つ一つが、無数の小さなささくれとなって引っかかってしまっているからだろう。

疑心暗鬼とはまさにこのことかもしれない。

ソワソワもギスギスも、詰まるところ全ては自分が作り出した幻想なのだ。

N0312021

LEICA M6/Elmarit-M 90mm F2.8/Adox CHS100II

こんな気持ちになるのは、コロナ禍にかこつけた社会が個人の行動や思想の自由をあまりに拘束しすぎたからだと思ったけど、よくよく考えてみたらコロナ禍がなかったとしても、ここ10年くらいの間に社会から寛容さがじわじわと消失したような気がしている。

LGBTや環境問題みたいな、本来ならば「寛容さ」を社会に求める問題提起を起こす人たちがいつの間にかポジショントークに終始し、主張を社会に押し込む活動をし始めたあたりから世界が変な方向に振れちゃったような感もある。

多様性なんて言葉を社会に押し付けながら、反対意見は封殺するという矛盾だらけの行動。

 

もしかしたら私自身があまりにナイーブなのかもしれないけど、今の世界って本当の意味での「多様性」だとか「寛容さ」が決定的に不足しているんじゃないかな。

社会常識や社会のコンセンサスと違うことを言ったりやったりしても「あっそ」と放っておいてくれるような寛容さとか、「面白いじゃん」って言ってくれるような優しさがもっとあってもいいんだけどなぁ、と思う。