analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

多様性を失いつつあるこの世界で

残念なことに古くから続く街の喫茶店がその営みを終えた。

今や世界中で小さな個人商店やレストランが存亡の危機に立たされていて、昨日まで当たり前だと思っていた光景が姿を消した次の瞬間、チェーン店が入り込み街中にぽっかりあいた隙間を埋めていく。

街の記憶も住民との思い出も無かったかのように、資本の力が強引にその街の一部を塗り替えていくのだ。

 

個人商店が資本に駆逐されることは昔からあったけれど、コロナ禍はこの流れをさらに進め、取り返しのつかないところまで資本主義を加速するのではないかと、ちょっとだけ心配している。

それが資本主義だと言われたら返す言葉がないのだけど、僕らが教わってきた資本主義は絶対的な正義なんてものでもないし、極限まで加速すると社会から多様性をどんどん奪っていくのだ。

かつて誤った方向に国力を注ぎ、人々を不幸にした社会主義共産主義の対抗軸として資本主義と民主主義がセットで機能したけど、対抗軸が消えてしまった今、資本主義はかつての社会主義のように人々を搾取し不幸にしているのは間違いない。

N0082021

 HASSELBLAD 500CM/Planar 80mm/ACROSS II

とはいえ、僕らが生きるこの時代はかつてに比べればはるかに自由な時代なのだ。

一人一人が現状を理解し正しい選択をすれば、世界はまだより良くできる可能性があると思う。

責任を政治家に求めるのは簡単だけど、実は僕ら一人一人がこの世界の未来に重大な責任を持っているのだ。