analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

生きづらさの内訳

写真ではなく自分の話。

転職サイトのindeedに載っていた適職探しのための性格診断をやってみたら思いの外面白いことが書いてあって、いい歳してじっくりと読み込んでしまった。自分が世間のことに興味がなさすぎて知らなかったのだけど、少し前からいろんなところで話題に上がるMBTIに基づく16パターンの性格診断なんだそう。

とても面白い結果なのだけど、写真の話とはほとんど関係のない私の内面のモヤモヤの話なので読んでもあまり意味がないかもしれない。後述の通り私にとって「書くこと」に意味がありそうなので、少し長い文章を書いてみた。

どうにも社会と折り合えないこの性格

Indeedで性格診断をやった理由は転職先を探したいからではなく、たまたま目に入ったからということと、自分のような社会と折り合いの悪い人間に転職サイトがどのような仕事を推薦するのか興味があったから。

社会と折り合わないのは、学生時代から既に始まっていたと思う。

大多数の人が社会人になる前になんらかの不安を抱えていながら、ほとんどの人たちは「まぁこんなもんだよ」と、上手に不安をいなして社会と折り合いをつけて順応していく。その一方で自分は日本社会の常識やらマナー(と言われるもの)に「まぁこんなもんだ」と割り切ることが全くできず、社会人になってから今までずっと社会とのズレを引き摺ってきた。

なんで飲み会で上司にビールを注ぐ時にラベル面を見せなきゃいかんのだ、タクシーに乗った時にエライ人をドライバーの後ろに座らせたら降りる時苦労かけるじゃないか・・・と考えるほどに世間のマナーとのズレが広がっていく。

ニュースを眺めていても、ダルビッシュの投げるスライダーのごとく世の中の動きがするすると論理的ではない方向にずれていく。最近起きている物事の問題の大元を探っていくと資本主義そのものの欠陥だとか社会構造や教育システムそのものの欠陥に行き着くのに、なぜ政治家もメディアも大元の問題をほじくり返さない。初めは小さかったズレ幅も考えを巡らすに従って我慢ならないものに変化していく。

理解されない思い、埋まらないずれ、ずれ、ずれ、ずれ…。

このズレ幅は広がったり縮んだりしたものの、社会のことや世間のことを広く知るほど大きく開いてきたように感じている。

コロナ禍や脱炭素、ウクライナ戦争を通してメディアのあり方や資本の動き、物事の本質を考え続けているうちに社会と「私」の間に埋めようのない溝が横たわっていて、社会の側にいる大多数の人間、従順にマスクを着用して自粛のお願いを鵜呑みにしてロシアを非難する、

そんな溝の向こうの人々を目にすると、心を持たないカオナシのように恐怖することすらある。とりわけコロナから始まった自粛やワチンの同調圧力とそれに従う人々は、私には何十万もの白痴ゾンビの大群が押し寄せる津波のようにも感じられた。

自分でも酷い事を書いていると自覚しているけども、嘘偽りなく私の中の灰汁を残らず掬いあげようとするとこのような表現になる。

要するに社会とうまく折り合えないのだ。こう決まったからあなたも従いなさいと言われても、「なぜ?」という思いに続く自身の思考が優先されるのでよっぽど合理性がないと首を縦に振らないし、コロナ禍も脱炭素もウクライナ戦争も腹落ちできないので社会の主張に従うことができなかった。コロナ禍とワクチンとウクライナ戦争はメディアや権力者の当初の主張が影を潜め始め、私の感じていた違和感が次第に世間がなびき始めた状況を見るとさらに混乱するのである。世の中どうなってんだ。

INFxな人たち

前置きが長くなったが、転職サービスが分類する私のパーソナリティはINFJ型(提唱者)というものなのだそうだ。所詮性格診断じゃんねえ…と思い他のサービスでもやってみたら、質問が微妙に違う2,3のサイトでやってみても全てINFJ型だと返してくる。時間を置いてやってみたら1回だけ違う結果が出たけど、これはINFP(仲介者)というINFJの親戚のような分類だった。

INFJとはIntrovertedとIntuitive、Feeling、Judgingの頭文字を取ったもので、内向的であり直観、感情に支配され、自分の意志と考えで決断していく性質で、16分類の中では一番少なく女性に多い分類なのだそう。

INFJに関してだけ要点を摘み上げると、

  1. 物事のつながりからマクロ視点で物事の原理を見抜く直感
  2. 人の感情を読み取るスキルが異様に高く、組織の風向きを必要以上に感じ取る
  3. 他者といると必要以上にエネルギーを消費するので一人で過ごす方が楽なのに自分を理解してほしいがために社交的になる
  4. アイディアはあるけどごく限られた人にしか話さない、表現しない
  5. 自分の中にある理想はとことん曲げず、曲げられようとすると猛烈な反抗をする
  6. 腹落ちしない限り社会のルールには従わないとても頑固で強情な性質
  7. 道徳的な行動を取っていたと思うと、次の瞬間に反道徳的な行動に出る
  8. 社会との断絶を感じると孤立を選ぶ
  9. 他者から見ると、矛盾した言動ばかり
  10. 超常現象、精神世界に傾倒しやすい

…とまあ言いたい放題なのでいちいち反論も肯定もしたくないんだけど、おおむね自分の行動原理と快不快の判断基準にはあっているように思う。特に2,3,5,6,7,8なんて自分の内面そのもので、理解できないことや矛盾していることは到底許容しないし、許容しろと圧力をかけられると「じゃあ勝手にしろ」と組織から出ていってしまう。戦うのめんどくさいから。

そのくせ7,8,9のように他者からは理解できない矛盾に満ちた行動に出るので、外から見るととても気難しい人のように感じるんだと思う。当人はきちんとした理屈があるのだけど、面倒臭いから言いたくない。

nayami-japan.com

身体は外篭り体質、心は引きこもり

20代からずっと感じていた自分の中の大いなる矛盾として、家にいることが出来ずにどこかをふらふらし続ける性分(外篭り体質)と人や世間に興味がまるでない性分(興味の対象が外にない)のぶつかり合いがあった。身体は外へ外へと出ていくのに、思考は内へ内へと向かっていくこの矛盾。

海外にいても映画館にいても観光地にいても、朝のニュースをひたすら頭の中で引きずってウンウン考えていたりする。あなたは学者か哲学者かと言われても困る。当の本人は今起きていることをどうにか自分の価値観と擦り合わせて納得したくて考えてるだけなのだから。考えても納得できないから本を読んで外をぶらぶらして人と話して、さらに考え込むのだ。

INFの人は内に興味と視線を持っていくことが基本らしいんだけど、理想を実現するためには行動を起こすらしい。とても興味深いことに、(当たり前だけど)この真逆の行動を続けていると極度に疲弊して自滅するにも関わらず、自滅するまで気がつかない。

この記事のタイトルである「生きづらさの内訳」というのは、自分の中で全く正反対のベクトルの対がいくつも同居していて、かつ必ずしも一致しない内面の世界と外界の価値観を受容できないパーソナリティに依るところが大きいのだと思う。

長いこと抱え続けてきたモヤモヤ

性格診断の結果を持って自分の進むべき道を理解した!…なんてことは言いたくないがしかし、INFJの説明を聞くほどに自分が長いこと抱え続けてきた葛藤だとか生きづらさのようなものがこれでもかと陳列されている。理屈の通らないことや主語述語がきちんとしていない文章を理解できなかったり、一人の時間がなくなると頭がおかしくなりそうになったり、周囲の音や臭いで極度にげんなりしたり。

ここ数年は自分の脳や認知機能に問題があるのではないかと深刻に考えていたが、自分と同じようなモヤモヤを抱えて生きている人が(一握りとはいえ)世界にたくさんいてくれたことに救われた。少しだけ気分が軽くなった。個人的にはそれくらい悩んでいた。

過去に思いの丈を綴った記事をいくつか見る限り、なんとなくINFっぽい人丸出しの物の見方をしていて面白い。この時期はMBTIなんてものすら知らないので、診断結果に流されたということはないだろう。

filmmer.hatenablog.com

filmmer.hatenablog.com

filmmer.hatenablog.com

filmmer.hatenablog.com

filmmer.hatenablog.com

INFxに向いている仕事

これが一番驚いた。提示される職業は心理カウンセラーだとかWebライター、司書、科学者、デザイナー、非営利団体などなど。転職サイトなので向いている仕事とその求人が出てくるのはわかるんだけど、どれも儲かる気配が一向にない。

他のサイトを見ても芸術家だの教授だの宗教家だの、およそ現実生活とはかけ離れたものばかり提示される。どうも16パターンのうち一番想定年収の低い属性らしい。これには参った。

そういえば学部4年生の頃に就職セミナーみたいなコマがあって、ずいぶん長い適正診断やらされた挙句に適職が舞踏家、デザイナーと言われたこともあったっけ。今思えばあの頃すでにMBTI 診断でバッサリ切り捨てられていたのかもしれない。

書いてみたらすっきりした(少しだけ)

ここ数年一部の権益とメディアが癒着した複合体によって社会が揺さぶられ続けている。

トピックが浮上するたびに本を読んで物事を考えて、考えた結果の答え合わせをするたびに非論理的な方向に揺れ続ける社会を目にしてひどく気分が参っていた。

内面的なことを文字に起こすのはとても憚られることだけど、思いを文字に起こしてみたら少しだけすっきりしたのと同時に、こんな支離滅裂な内面の話を読んでいただいた人には感謝の気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

次回から写真の話に戻ります。

参考記事

caharakter.com

www.16personalities.com

modoro.jp

areablue.jp