analogue life

シンプルな暮らし

価値ある愛おしい物たち

今週のお題「人生で一番高い買い物」

そういえば今まで買ったもので一番高かった買い物ってなんだろう。

駅前のコンビニで買ったガムからうっかり買ってしまった高額なシャツまで価格の大小はあるけれど、私たちは毎日どこかで買い物をしている。

人生で一番高い買い物というお題を眺めながら普段の買い物について思いを巡らしてみると、モノの値段なんてその時々で変わってしまうものだし、スマホやパソコンのように高いお金を払って手に入れたものが数年で価値を無くしてしまうことなんてざらにある話だ。

私たちの世界のモノサシは常に変わり続けていて、時々ブームが来ては価格をドーピングしてしまう世の中で「人生で一番高い買い物」を振り返ったところであまり意味のないことじゃないだろうか。

そんな訳だから、今まで買ってきたものの価格そのものを比べるんじゃなくて、愛で続けることができた期間と価格をかけた数字をもって物の「価値」を比べてみるのも面白いと思う。例えば20年使い続けているそこらの店で買った安い湯呑みだとか、30年前に旅先で買った素敵なアクセサリーには情念めいた愛着が乗り移っていて、数週間で飽きてしまう高価なものよりも価値があるのではないかと思う。

そんな捻くれた観点から、人生で一番高い価値を持つものを2つほど挙げてみたい。

Hans Wagner GE290

オリジナルのファブリックを纏ったオークフレームの3シーターソファ。

絶妙なリクライニング角度と素晴らしい木工精度、日本の家屋に合う必要十分な寸法が素晴らしいソファ。ものすごく柔らかい訳でもラグジュアリーさがある訳でもなく、シンプルで質素だけどずっと座っていたくなる家具。久しぶりに中古価格を調べてみたら20万円くらい値上がりしていて驚いた。

手に入れたのはもう十数年前で、当時はまだ安く程度の良いものがあった。

このソファには色んなお客さんが座り、酔っ払いが爆睡したり保護猫が寝ていたり、我が子が飛び跳ねていた、たくさんの思い出を抱えて家の片隅で私たちの生活を見守ってきた大きな古時計のようなソファ。お金に換算できない価値があると思う。

LEICA M6

数年前までは10万円台で買えたと思うんだけど、これもいつの間にか恐ろしいほど中古価格が上がってしまった。あまりにも中古価格がひどいのでもう新造品のMPかM-Aを買った方がいいと思う。

このカメラとは色んなところに行ったし、Flickr explorerに選んでもらった写真の多くはこのカメラで撮っている。M6より高機能なカメラはいくらでもあるけど、持った時の感触だとかファインダーを除いた感覚やシャッターの音まで全てが丁度いい。

いつも一緒にいる。持ち出している時間を考えたらこれも価値ある買い物だった。たくさんの楽しい時間と好きな写真をもたらしてくれたもの。

N0282022-Explored

LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Eastman Kodak 5222

N0282021-Explored

LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fomapan100

N0462020:Explored

LEICA M6/Super-Angulon-M 21mm F3.4/Tmax400

愛せるものか

そういえばお金を使え、経済を回せって何かの呪文のようにこのフレーズを口にする人が一定数いる。

でもこの理屈って経済の仕組みの中でお金の流れが滞る「升」のようなものがなく、かつ海外にお金が出ていかない前提で、資本主義の皮を被った共産主義社会のルールを説明したフレーズなんだと思っている。

そんな無駄ばかりの社会はもう終わりにしてほしいよね。愛せる物を長く使う。そんな社会であってほしいし、素晴らしいプロダクトだけが流通する社会であってほしいなぁと薄らぼんやり考えている。