analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

コロナ禍が生活にもたらしたこと

災い転じて福となす。

世間が急に自粛とリモートワークに舵を切った時に、私は救われた気持ちで胸がいっぱいになった。

コロナ禍の前までは仕事と子育てにフル回転だったのだ。月曜から金曜まで仕事詰で週末は育児という地獄のような環境だったので、知らず知らずのうちに自分のキャパシティを遥かに越える活動を強いられていたのかもしれない。

この状況があと数年続いたら、本当に私は壊れてしまうかもしれない。いや、それ以前に私の人生は子育てが始まった時点で終わってしまったのだと、暗澹たる気持ちを抱えて毎日電車に押し込まれていた毎日が突如として変わったのだ。

「助かった」

大袈裟でもなんでもなく、そんな思いで胸が一杯になった。

私のようなことを言うと人生の諸先輩方がぞろぞろと出てきて「大袈裟だ」、「甘ったれるな」、「みんなやってきたことだ」と一喝するんだろうけど、子育てに限らず様々な問題を直視せず何も変えてこなかったことが今の日本の凋落につながっているのは間違いない。

少子化問題はそんな社会の病理に深く根を下ろしていることを、政治家も行政も国民も直視してこなかったのだ。

辛いことや自分の生活を狂わせるようなことがあれば、誰だってそんなリスクに向き合いたくなんてない。リスクから距離を置きたいのだ。

物事を良くしようと思ったら、何かを変えなければならない。

N0072021

 HASSELBLAD SWC/Biogon 38mm F4.5/ACROS II

空になったワインボトルに花をさしてみた。

家で過ごす時間が長くなったので、今まできちんと向き合ってこなかった家のことや子供のことに目を向けている。

子供と話をして散歩に出かける。暗くなったら仕事を切り上げて家で料理を作りみんなで食べる。

コロナ禍は人として当たり前の権利、長らく日本社会では同調圧力のもとに蔑ろにされてきた人として生きる権利を与えてくれたものだと思っている。

お題「#この1年の変化」