analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

フィルムフォトグラフィ

Bessa R3Aのこと

最近Bessa R3Aをまたよく使うようになった。 M6を使うようになってから比較的うるさいシャッター音だとか手動で切り替えるブライトフレームが不便だったこともあり道具箱の中で2年くらいスヤスヤ寝ていた。使わないのは勿体無いのでebayに出品しようとしたり…

【告知】写真展にお邪魔します

2022年6月21日から6月26日までの6日間、四ツ谷のTotem Pole Photo Galleryで開催される「街と人と」展にゲストとして参加させて頂くことになりました。 この2,3年ほど「今年こそ何か活動をしなきゃ…」とこのblogでも度々ぼやいていながら、あまりに忙しい私…

最初の写真集

コロナ禍が初まる直前の2019年末頃から2022年の初めくらいまでの間、街をぶらぶら歩きながらRolleicord IVとHASSELBLAD 500C/Mで撮っていた写真を1冊の写真集としてまとめました。写真をレイアウトして校正をかけて、確認用と自分への記念にまず2部製作しま…

白昼夢もしくは明晰夢、断片的で手繰り寄せられないもの

この世は夢なんじゃないかと思うことがある。 何を寝ぼけたことを言ってるんだと鼻で笑われるかもしれないけれど、あまりに慌ただしい日々を見切り発車でこなしているうちに時間があっという間に飛んでいき、目の前を過ぎていったことをはっきり覚えていない…

海と子供

この世に生を受けて2年目の友人の子と友人と僕でいつもの浜へ向かった。 今日はこの子が初めて海と対面する日だ。僕と友人は彼に海を見せたくて、この子が初めて見る海にどんな反応を示すのかということに胸を躍らせながら電車とバスを乗り継いだ。 物心つい…

シネマフィルムをカメラに詰めて海へ

随分前に映画用フィルムの話を書いたらはてなブログの公式ツイッターに取り上げて頂いた。 このブログはフィルム写真、特にモノクロフィルム写真に特化していることからあまり日の目を見ることがないのでとても嬉しかった。キラキラした写真も綺麗なモデルさ…

日本から転出する同僚に寄せて

かつて一緒に働いていた同僚がニューヨークで仕事を見つけたので家族と一緒にあちらに移るという話を聞いた。なんでも子供の将来と教育を考えた結果の決断なのだそうだ。長い間悩み続けたのだろうけど、何か吹っ切れたような彼の口調はとても爽やかだった。 …

春を前に気を病む

毎朝家の玄関を出る時、私達は一体何枚の仮面をポケットに詰め込んでいるんだろう。 私達は飛び込むコミュニティごとに口調を変え話し方を整え、思いをねじ曲げて作った理屈を型枠に詰め込み都合の良い言葉でそれを語り、時には意志と異なる薄ら笑いを作って…

ライカをぶら下げて出掛けよう

桜の季節は悩ましい。 撮るものがストリートだとか海辺の写真に固定されてる私は自動的に持ち出すカメラが決まるので普段は何も悩む必要がないんだけど、あっという間に見頃が過ぎ去ってしまう桜の季節は特別。 お弁当から桜まで何でも撮るにはNikonだけど……

新木場もくもく訪問

私は既製品の無難な額縁がどうにも肌に合わず、自分のプリントのためだけに額縁も自作している。エキゾチックな木材や主張の強い材が好きなんだけど、ネットのカット販売は面白い材があまりないしそもそも実物を見ないことには納得した買い物なんてできない…

標準レンズってなんだっけ

50mmレンズばかり買ってしまう人がいる一方で、50mmが苦手という人も多いらしい。 自分が写真を始めた時は50mmが標準レンズと呼ばれていて、上達するためにはまず50mm単焦点を買いなさいと言われていた。この言い伝えはそんな大昔の話じゃなくて、多分10年く…

春はあけぼのモノクローム

毎年のことだけど、桜の季節はあっという間に過ぎ去ってしまった。 モノクローム写真ばかり撮っているからか、ここ数年は桜の花にあまり興味がなくむしろ桜の枝ぶりばかり眺めているような気がする。 ずっと桜の枝と春霞を眺めていると、水墨画の世界にトリ…

Pro400H終売に思うこと

だいぶ旧聞になるが、富士フィルムのネガカラーフィルムPro400Hが廃盤になるようだ。 値上がりが続くKodak Portraの代替品として捉えられていた感があったこのフィルムをきちんと使ってみたらとても良い雰囲気に仕上がった。 もっと僕たちがこのフィルムを使…

2020年に使ったフィルム

毎年恒例のフィルム家計簿の公開。 カラーフィルムの使用率が年々下がってきて今年は遂に15.7%まで落ち込みました。数年前はモノクロフィルムとカラーネガの使用率が半々くらいだったのに、どんどんカラーフィルムの使用率が下がってきた。このまま行くと来…

コロナ騒ぎを通じて働き方が変わればいいと切に願っている

私の家は代々商売をやっていたので、両親や祖父母はもちろん近所のおじさんやおばさん、家業のお客さんから近所の幼馴染や野良犬野良猫に至るまで四六時中誰かが側にいる中で育った。窓を開けた軽トラックの助手席に揺られて配達の手伝いに行ったり、店にか…

ひっそりと生産が終わっていたSilvermax

あまりに突然の知らせに驚いた。 このフィルムは専用現像液まで用意されていたしAdox社の看板フィルムだと思っていたので、こうもあっさり販売を終了してしまうとは夢にも思わなかった。同時にScala 160も販売終了とのことなので、商品名を統一するわけでは…

脳が極度に疲労したので中判フィルムカメラひとつ持ってぶらぶらする。

コロナ騒動と本業の激務が重なり中々外に出られない日々が続いている。 ここ最近気付いたのだけど、人と話をしたり行動を共にすると知らず知らずのうちに脳の疲労が溜まってしまうらしい。 昔はそんなことなかったのに、最近同僚の喋っている話や家族の問い…

2019年のフィルム家計簿

早いもので今年も残すところあと僅か。フィルムが足りなくなると近所のお店で1本ずつ買っては装填する…といったサイクルでフィルム写真と向き合ってきたのだが、フィルムやら現像やらにかかる費用をざっくり集計してみたら、私のコスト感覚が随分とドンブリ…

シンガポールのフィルムカメラ事情

仕事でシンガポールにしばらく滞在していました。 リュック背負って日本を飛び出して、毎日のように屋台とランドリーと仕事場を往復する日々。出発前に髪を切りに行くのを忘れていたので、髪はボサボサだし身なりはヨレヨレだし。元々が自由人なので全く気に…

令和元年に持っていく機材

今年のゴールデンウィークはまさかの10連休。 SNSを眺めていてもラジオのニュースを聞いていても、一人旅に出たり家族とどこかへ出掛けたり友達同士で飲みに出掛けたり…と世間はとても充実している様子なのに、私はこの10日間出掛ける当てもなければ予算も立…

2019年分のフィルムを大人買いした。

ボーナスの季節ですね 大手企業の一部の業界のみっぽいけど、この世間の寒風と荒れた世相の中でまだボーナス上がるかって感じ。日本経済が凄い訳じゃなくて、日本経済のピラミッドの上層にいる一部の会社組織が下層の会社と労働者を搾取して到達したゴールっ…

エクタクロームが現像から上がってきた

リバーサルフィルムがどうにも苦手だった。 現像から上がってきたエクタクロームを光にかざして眺めて…欲しかった色がきちんとフィルムに再現されていて「あぁ、これこれ」と。リバーサルフィルムも悪くないんじゃないかと思い始めた今週始め。 ただの下手く…

夏の終わりに

暑いのが嫌だ、湿気が嫌だとブツブツ言いつつも、いざ涼しくなってみると夏の陽射しが恋しくなるんだから、随分とわがままな大人だなぁと思う。 鎌倉の路地裏をぶらぶら。 この街は一歩路地裏に入ればまだどうにか小津安二郎映画のような雰囲気を維持してい…

エクタクロームは10月中旬らしい。

遂にB&Hにエクタクロームが登場。ステータスがプレオーダーになっており出荷は10月中旬となっている。某量販店に聞いたところ日本の発売も概ね同じ時期らしく、紅葉の季節にはギリギリ間に合うっぽい。 エクタクロームはまさかの復活アナウンスから、予定が…

Adox Silvermaxは凄いフィルム

現像から上がってきたSilvermaxのネガをスキャンして驚いた。これはちゃんとプリントしなきゃダメだなと反省した。 メーカーの受け売りじゃないけど、このフィルムは階調が豊かで暗部の分離も良く、粒状性も驚くほど優秀。もしかしたらズミクロン50mmとの組…

あまりにも暑すぎて写真が撮れない。

関東地方が何日連続で熱帯夜だったか途中まで数えたが、あまりの暑さにうんざりして放り投げた。 6月中に梅雨明けと言われた時に何となく嫌な予感がしていたが、人として許容できる気温・湿度を超越した恐ろしい暑さが続いている。仕事なんてしていたら脱水…

富士フィルムがモノクロフィルムの再生産を検討しているらしい

こないだモノクロフィルムの生産やーめた!…って言ったばっかりじゃんというツッコミを入れたくなる展開。 先日のACROS生産終了のアナウンスには本当に驚かされたが、富士フィルムは落胆したフィルムユーザーの声にきちんと耳を傾けていてくれた。残念ながら…

短い梅雨の思い出

夏が始まってしまった。 今年の梅雨はあまり暑くもなく湿気も少なく、夜になれば風も気持ちよくて随分と快適だなぁ…なんて思っていたら、あっさり梅雨が終わって地獄のような夏が訪れてしまった。平均よりも20日程早い梅雨明けということは、地獄のような暑…

Adox SCALAが現像から上がってきた

現像から上がってきたAdox SCALAのフィルムを光にかざして思わず息を飲んだ。 撮った本人も忘れていたような一枚がまるで浮き上がるかのように緻密で、モノクロームであるにも関わらず、色がきちんと乗っているような印象すら受ける。 無いはずの色が見える……

Plustek 8200 Ai作例

前回エントリからの続き。 Silverfastの使い方を長々書いても仕方がないので、実際にスキャンした画像をフィルムごとに幾つか上げてみる。比較対象としてトイラボさんにスキャンをお願いした画像と並べているけど、スキャンの良し悪しを比較したいという意図…