analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

標準レンズってなんだっけ

50mmレンズばかり買ってしまう人がいる一方で、50mmが苦手という人も多いらしい。

自分が写真を始めた時は50mmが標準レンズと呼ばれていて、上達するためにはまず50mm単焦点を買いなさいと言われていた。この言い伝えはそんな大昔の話じゃなくて、多分10年くらい前までは言われていたはずなんだけど、焦点距離が30mm近辺のスマホカメラが普及しすぎたせいでいつの間にか大衆の「標準」の定義が変わってしまったのかもしれない。

アップルはじめスマートフォンを作るメーカーは焦点距離スタディを相当やったに違いない。結果として都市生活者に必要な焦点距離を30mm近辺としたのだと想像している。

面白いことに住宅のショールームだとかIKEAの店内モデルルームの中をスマートフォンで撮ってみると、人を撮るにしても物を撮るにしても距離感がちょうど良いのだ。地方や高級住宅地を除けば世界中の都市にすむ多くの人は似たり寄ったりな住宅事情なのだから、広角が標準域になってしまったのも仕方がないのかもしれない。

そんな自分も50mmは準望遠だと思ってる。

ストリート撮るには狭いしポートレートは元々撮らない(下手くそなので撮れない)ので、だだっ広い海辺を歩くときか家族写真を撮るときくらいしか持ち出さない。むしろ35mmか40mmが自分の用途によく嵌る。

これから写真を始める人はもしかしたら35mmか28mmを標準レンズとして最初に買うのがいいんじゃないかなって思う。

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HASSELBLAD CFV50CII 907X/XCD 45mm F4P

そんな出番の少ない50mmだけど、このSummicron-M 50mm F2 4thは手元に残すと思う。

高画素機に付けてApo Summicronと撮り比べて重箱の隅まで比較したら違いがわかるはずだが、自分のようにフィルムだけで使うなら恐ろしく解像する素晴らしいレンズだ。現行Mレンズの中でおそらく一番安く中古で出回っていながら、ライカのシンプリシティと恐ろしい性能、手にした時の重厚感が高度にまとまっていて手放せない。

Summicron-M 50mmで撮った写真をアルバムにまとめてみたのでご覧いただけると嬉しい。

N1112019