analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

今月のあとがき: 2023年12月

2023年も残すところあと僅か。

ブログの記事にする程ではなかった小さな話を書き綴る「今月のあとがき」の2回目。まとまりの無い思考の断片、見聞きしたあれやこれやの感想。カレーも豚汁も鍋底に残った具の残骸が一番美味しいのだ。

「ありがとう」と「ごめんなさい」

気が付けば3年くらい大掃除から遠ざかっていることにふと気づき、少し早い気がするけどクローゼットの中身を整理したら着古した服や壊れた鞄がゴミ袋2分も溜まっていた。

寝ぼけ眼を擦りながら袋を両手に持ちゴミ捨て場に向かっていると、歩を進めるごとになんだか後ろめたい気持ちになる。自分の身体に一番近いところにあった衣類だもの、生ごみを捨てに行くのとは訳が違うものね。

ゴミ捨て場に袋を置いたら自然と「ごめんなさい」って言葉が出てきたので、振り返ってお辞儀をして「ありがとう」で上書きした。

この国で子を持つこと

子供を持つことについて高等遊民前夜さんの記事を興味深く読んでいたら、以下のくだりが僕の胸にそっと刺さった。

でも子は産まれてしまったらそれをリセットできない。どんどん貧しくなっていくこの国で、これからたくさんの苦痛を背負うかもしれない別人格の人間を産んでいいのか、と思う。そんな取り返しのつかない別の命、別の人格を生み出すことへの根源的な恐れがずっとある。

誰しも子供には苦労はさせたくない。もちろん生きていく上で様々な苦難が待ち受けているのは承知の上だけど、今の子供に託さなければならない日本の未来は明らかに暗い。

政治と行政が解決できることがたくさんあるはずなのに、清廉でも潔白でもない政治家とそんな連中のポンコツ世襲議員が口先約束するこの国の未来をどうしたら信じられるだろう?そんな国で月々数千円の端金をもらったところでどうしたら子供を持とうなんて思うだろう?経済のために無理やり神宮外苑をぶっ壊したり、過去の遺産や文化を安っぽく外国人に切り売りしてインバウンド需要だなんて言っている。そんな貯金を切り崩しているだけの国に未来があると思えるだろう?

政治をきちんと監視してこなかった国民の民度も問題なのだけど、民主主義は国民の民度以上に機能しないことを考えると、ここから上に向かうことは考えづらい。

そもそも子供が必要な理由を考えてみると、国家は税金搾取の対象かつ労働力として子供が欲しいのであって子供が苦労しようが貧しかろうが彼らは知ったこったちゃない。

子供はかけがえのないもので幸せになってほしいと願う親と搾取の対象として捉える国家の間では埋め難い溝があるので、政治家が〇〇円規模の予算とか政策と言ったところで永遠にすれ違い続けるし効果が出ることは無いのだ。

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ローストビーフの正しい焼き方について

ある人曰くそれはダッチオーブンで焼く事らしい。ネットを見るとジップロックに入れて炊飯器に放り込めと書いてある。ジップロックなんてローストビーフが発明された時代には無かったし、炊飯器に入れたら煮豚ならぬ煮牛だと思うんだけど。

あまりに色んな言い分があるので、僕はもっぱら鉄フライパンでローストビーフもどきを作っている。

Turkの鉄フライパンにオリーブオイルを敷き牛肉の面を20-30秒焼いたら転がして次の面を焼いていく。ずっと弱火を保つので「焼く」というよりはオリーブオイルの温泉に浸けてあげている感じ。

10分くらい転がしたら皿に移してホイル被せてすこし休ませまた弱火でコロコロ。指で押して生肉のブニブニがプルンプルンくらいの硬さになればおしまい。もう一度ホイルを被せて冷めたらお好みの味をつけて食べる。色んなローストビーフを食べたけど、多分この作り方が一番ローストビーフらしさを残しながら旨みが強い。

 

【写真】地面に激突したレンズのその後

大切にしていたSummicron 50mm 4thを地面に落としたらフードが歪んでヘリコイドが怪しくなった話の続き。

その後分解して掃除したら何故かピントリングの回りが元通りになって、何枚か撮ってみたら笑っちゃうほど何も変わっていなかった。相変わらず隅から隅までよく解像する凄いレンズだと思う。最新のデジタルライカにはAPO-Summicronがいいのかもしれないけど毛穴を撮ることが写真ではないと思う。

N0602023

ひつじ雲を反射する雲を模したような歌舞伎町のビルは何度見ても不気味だ

【買い物】さよならニューバランス童貞

先月書き忘れたんだけど、今まで甲高寸詰まりシルエットとアッパー部分の素材&色の切り返しがどうにもおっさん臭くて敬遠してきたニューバランスを初めて買った。港区女子が履くニューバランスはかわいいのにおっさんが履いてるのを見るとうーん…ってなって全然惹かれなかったのだ。

Numericというスケーターラインのスニーカーを初めてみた時、あの甲高寸詰りのシルエットではないニューバランスに一目惚れしてしまった。ペタンと甲が低くてシュッとしていて凄くよい。そして歩き心地が良い。よく考えてみれば写真を撮る人が一番大切にしなければいけないのは足だ。レンズが資産だなんていうけど、どこまでも歩ける足と靴の方が優先順位は高いはず。

関東だと原宿店でしか現物見られないのは勿体無いなぁ。僕と同じ理由で敬遠してる人結構いると思うのでもっと大々的に展開すればいいのに。

オールブラックで甲が低めですごくシャープ。ソールのラバーが生っぽい茶色なのもよい。

やっと、印画紙を買えた

最後にプリントしたのが去年の冬だったことを思い出してびっくりした。今年は春先はやたら忙しく夏は暑すぎて死んでいて、秋から原因不明の金欠に悩まされてプリントどころじゃなかったのだ。

これじゃいかんと年末の勢いで印画紙を買ったらこんな大きな箱に入って届いた。イルフォードさん、箱カッコよすぎじゃないですか…?

今年も一年間ありがとうございました

なんかもう人と会うのに疲れちゃった…と言うか、お金と時間を消費して当たり障りのない話をすることが馬鹿馬鹿しくなってしまったので忘年会はスキップ&スキップした。美味いものは1人か2人で食べるから美味いのだ…なんて思っていたらエライ人にとても美味い焼肉をご馳走いただき目の前で焼いてもらってしまった。

来年何か起きたらどうしよう。