analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

切り替えができない

デニムパンツを裏返し、洗濯機に放り込んだ。

まさかの9連休となった今年のゴールデンウィークも今日でおしまい。こんなにまとめて休めたのは何年ぶりだろう。

この連休中は組織の中での言葉遣いを捨て当たり障りのない服をクローゼットに押し込んで、Tシャツとデニムパンツだけで過ごし裸足で砂浜を歩いて写真を撮っていた。実に人間らしい生活を送れたけど、それも今日でおしまい。

洗剤を入れて洗濯機をスタートさせると、水浸しになったデニムパンツはくるくると周り洗濯の旅へ出発した。

RICOH GR3

無難な服を着て石膏ボードで四方を固められた都内のオフィスに座り、「組織の人」として立ち振る舞いをする生活に戻るのがとても嫌だ。

若い頃はこの切り替えがすぐにできたけど年々難しくなっていて、東京から遠い山の中暮らしになって以降急に東京嫌いが進行した気がする。

いまの仕事が嫌いなのではない。東京で社会人らしい振る舞いをすることが苦手なのだ。

生来の気質だとか育った環境も大きいと思う。僕の育った環境にはサラリーマンがいなかったし、勤め人のロールモデルとなる人もいなかったのだから、どう振舞っていいのか分からないのは当然かもしれない。

お気に入りのTivoliのラジオから流れてくる湘南ビーチFMを聴きながらこのまま隠遁生活をするにはどうしたらいいだろう…なんてことを考えていたら洗濯機が止まった。

切り替えの時間が迫る。社会に戻るなんて、無理だ。