analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

撮影機材を運ぶリュックサックの話

仕事と私生活で5年以上酷使し続けてきたCote et Cielのリュックサックがヘタってきたので、思い切ってMilletのリュックサックを購入した。リュックサックを新調する時にいつもワクワクするのは、リュックサックという道具が旅の予兆をはらんでいるからだろう。

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私が新しいリュックサックに求めたものは以下の9項目。そんな贅沢な要求でもないと思うんだけど書き出してみたら思いのほか多く、特に3と8と特に9を満たすものが中々無くて苦労した挙句MilletのKula 30に落ち着いたので簡単な感想を綴ってみる。

  1. ちょっとやそっとでヘタらない程度に頑丈であること。
  2. 素材が安っぽくないこと。テカテカ素材とかありえない。
  3. 急なアジア旅に耐えられること。30L-45Lあれば大丈夫。
  4. 手荷物として機内に持ち込めること。
  5. 急な夕立があっても中身が守られること。
  6. カメラが安全にしまえること。安心して持ち運べること。
  7. 15" Macbook Proが入ること。
  8. Macを入れた上でライカとローライコードが1台ずつ入ること。
  9. いかにもカメラバッグはダサいから嫌。

ざっくりまとめれば公私ともに使えて、写真機材がきちんと入った上でバックパッカー旅までできてシンプルであることなんだけど、これが中々に難しい。30Lを超えてくると急に登山っぽくなってしまうし、そもそもカメラレンズをしまうことを前提にしたリュックはカメラバッグになってしまうのだ。当たり前だけど。

気室の構成はシンプルで大容量

大きな収納は背中側の気室と外側の気室のふたつ。いずれの気室のジッパーでがま口式に大きく開く。タグに書かれている通り素材はコーデュラナイロンなので堅牢さは確かだろう。

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外側の気室はこんな感じ。

パスポートとかフィルム、筆記用具だとかバッテリー類はこの気室のメッシュポケットにまとめられそう。雑誌だとかiPadなんかもここに入るし、ちょっと無理をすれば圧縮袋で潰した下着類はこっちに入りそう。仕事で使うときは書類や資料がこっちに入ると思う。

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次いで背中側の気室がこちら。

外側に比べて底面の幅と奥行きが大きいので、旅をするときの着替えはこっちの気室に詰め込むことになると思う。もちろん上下のコンパートメント分けはないので寸胴式に下から上に詰め込むことになるのだけど、30Lということもあって深さはないため、歩いているうちに詰め込んだ荷物がグラグラすることもなさそうだし取り出しも簡単そう。

この白いタグはちょっと邪魔かなぁ。いろんなblogで指摘されているけど。

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背中側のポケットはPCを入れるところらしいので、手持ちのMacbook Pro 15インチを入れてみた。ちょっときついけどしっかりすっぽり最後まで入る。

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これはメインの2気室の間にあるサブ収納。

使い道がちょっと思いつかないけど、小さいデジカメだとか財布を入れておくのにいい感じかも。 

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M6を入れてみたらこのポケットが思いの外大きかった。

歩いている内にカメラが中で暴れてレンズキャップが外れちゃいそうなので折りたたみ傘とかタオルとか飲み物を入れるにはいいかも。

図体の大きいハッセルブラッドの交換レンズをタオルに包んでここに入れとく・・・というのもアリかもしれない。

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撮影機材の収納力

そもそもKula 30Lはカメラバッグではない。

製造から50-70年経ったお年寄り機材をメインに使うので現行品以上に気を使う必要があるんだけど、通常品のKulaにはカメラもレンズも安心して放り込めないのでHakuba製のインナーボックスD型を購入した。

これは手持ちの鞄にカメラ類を入れる際に機材を保護するソフトボックスなのだけど、このD型が丁度Kula 30Lにフィットするようだ。背中側のメイン気室にぴったり嵌るサイズで、手持ち機材が綺麗にまとまる。高さもバッチリ。

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インナーボックスごと背中側の気室に入れてみる。これが…こう。すっぽり。ほらね?良い感じでしょ?

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収納力はローライコードとライカMの組み合わせかライカMと交換レンズ(無理すれば2本)、ハッセルブラッド500C/Mなら一台分といったところ。

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ハッセルブラッド500C/Mとローライコードの同居はちょっと無理だった。

サイズ感を考えるとおそらくマミヤ6/7やプラウベルマキナもこのケースには1台しか入らない。二眼レフがいかにコンパクトに作られているかわかる絵面である。実は二眼レフって最高の旅中判フィルムカメラなんじゃないか?

filmmer.hatenablog.com

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インナーボックスの容量に話を戻すと、そもそも私の場合大量に機材を持ち歩くことはないし、海外に行くとしてもライカMとレンズ1本かローライがあれば事足りるので、これくらいでいいような気がする。ちなみにこのインナーボックスの容量は4L。

買ってわかったKula 30のいいところ

前述の通り収納は十分。圧縮袋に詰めた着替えとiPadとカメラ一式を余裕で詰められるし外見がゴテゴテしないのがとてもいい。ちょっと遠方に出張してきて〜と急に言われても、着替えを圧縮袋に入れて機材も詰めて出かけられる身軽さが素敵。

今まで使ってきたCote et Cielも素敵だけどKula 30Lの方がサイズも重量も小さく、容量は8L程度多い(Isarは容量非公表だけど色んな情報を集約するとMサイズでおそらく約22L)。こと重量はIsarのMサイズが1.5kgと重量級であるためKula 30Lの860g(約半分!)はとても軽く感じる。この辺のノウハウはやっぱりアウトドア向けのリュックを作っているメーカーのメリットだと思う。

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リュックの底にあるジッパーを開けると中にオレンジ色のレインカバーが収納されている。 

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リュックの素材がコーデュラナイロンなのである程度の耐水性はあるのだけど、突然の豪雨とか雨の中歩き続けなければいけない時に本体をすっぽり覆ってくれるこのカバーはありがたい。しかもこのレインカバーは本体とつながっているのでうっかり失くすこともなさそう。

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あとはメイン気室のジッパーに鍵がかけられること。これは地味に嬉しい。

長期旅行用に使っている50Lリュックサックには無理やり鍵をつけてるけど、ここまできちんと鍵ループが作られてないので開けようと思えば開けられちゃうんだよね。

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意外と難しい色選び

Kula 30Lのカラバリはブラックとグレー、グリーンとカーキ。

ブラックはなんの変哲もない黒だしグリーンは苔っぽい濃い緑色(モスグリーン)なのでわかりやすいんだけど、グレーとカーキの色味が独特で現物を見てみないとどうにも判らない。

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実物を見てみたらスモークトパールと呼ばれるカラーは暗めのシルバーって感じで、ソリッドグレーはグレーと言うよりグレー寄りのカーキ色って感じだった。Webで見るよりも色が濃くて締まっている感じ。実物の方が良い。

黒はみんな持っていそうってのもあったけど、ソリッドグレーの質感がとても良かったので一目惚れでこのカラーを選んだ。ネットで見ると黄色味が強いカーキに見えたりもするので是非実物を見た方がいいと思う。実物はネットで見るよりいい色だから。

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30Lと40Lのどっちにする?

ここまで読んでくれた人は、このリュックサックの素敵さに気がついてサイズはどれにしようかと考え始めているに違いない。私もサイズは最後の最後まで悩んだ。

旅の事だけ考えれば40LなのだけどLCCだと手荷物にしてくれなさそうだし、50Lであちこち旅した経験上25L程度まで荷物は圧縮できるので個人的に30Lあれば1ヶ月以上の旅でも十分だと思う。

世の中にはKula 30で世界一周した方もいるようなので極端に寒い土地に行く人だとか荷物まとめるのが苦手な人以外は30Lでいいんじゃないかな。あまり重量が嵩むと街歩きも辛くなるし緊急事態のトイレ個室で困るし。

まとめ

気がついたら随分と長い文章を書いてしまったのは、このリュックサックがとても良くできているからだと思う。写真blogにも関わらずカメラやレンズやフィルム以上にリュックサックのことをダラダラと書いてしまった。そして頭の中で旅支度を始めてしまった。

これ以上書き連ねても仕方がないので、カメラを格納して仕事と私用に使えてリュック旅までしたい人にとってMillet Kula 30Lは良い選択だと思うよ!ってところでこの記事はおしまい!

皆様良い旅を!