analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

大きなカメラを持って平日ぶらぶらしてる

仕事を辞めた。いまは命の洗濯をしている。

…なんて言うと凄くかっこいいけど、要は好きなことをして次の仕事までの時間を過ごしているという話。

ここ5年ほど公私共に全く気の休まらない毎日が続いていて、トドメとばかりに飼い猫2匹が立て続けに亡くなってしまった。正直な話心も身体もズタボロの状態だったので、丁度いいタイミングでこのような長い休みに入れたことは不幸中の幸いだと思っている。

久しぶりの長い休みなので、本当はライカひとつ抱えて一人インドに行きたかったのだけど、家内から猛反対を受け泣く泣く国内に留まることにした。僕自身マスクだワクチンだ検査だとしつこく言われるのがもう嫌なので、まだしばらくは国内に留まっているのが良いのかもしれないけど。

そんな訳でこの一週間は毎日のように今まで出掛けられなかった場所にカメラを持って出掛けて、目に止まった風景の写真を撮って好きなものを食べて帰ってくるという毎日を過ごしていた。

夜はラジオを聴きながら本を読んで、好きな酒を飲んで寝る。そんな生活。

ぶらぶら歩きのお供はHASSELBLAD 907x CFV II 50Cにした。

最近スクエアフォーマットに少し疲れてきたということもあるが、ほとんど外に連れ出されていないこのカメラが少しかわいそうに思えてきたので、この長い休暇は907Xをメインに気が向いたらHASSELBLAD 500C/MかSWCで写真を撮っている。電車での移動が基本なのでリュックがずっしり。

写真を撮らなきゃいけないプレッシャーを課すと気持ちが潰れてしまうかもしれないので、気が向いたら撮る。撮れなくても悔しがらないことがルール。

この一週間くらいにぶらぶら歩いて撮った写真たち

N0562022

久しぶりに埼玉に足を伸ばしたんだけど川越より北に来たのは多分6,7年ぶりくらい。10年くらい前の記憶の答え合わせをしようとしたら、赤点答案が返ってきた。街は死んでいた。

N0572022

台風が迫る鎌倉はいい波が続いていた。長い休みに頭がリセットされると今まで見えていなかった事だとかやり残した事が急にはっきり見えてくる気がする。いつまでも電車と徒歩は辛いので車が欲しいなぁ。

N0582022

海の家の解体が進むと急に空気がカラッとして夏が終わる。そんな気がする。

賑わいが去ったビーチに夏の名残のような日差しが燦々と降り注ぐ。静かで美しい僕が一番好きなビーチだ。

N0592022

大嵐の日は家に篭って本を読んで写真を整理する。

ラジオに耳を傾けていたら時間がいつの間にか経過している。部屋が暗くなっていることに気付いたけど、いまの自分にはノルマも宿題も締切もない。眠気に勝てず本を閉じて居眠りした。

N0602022

嵐は過ぎたと思っていたのに突然雨風に襲われる。週明けの勤務お疲れ様です。

N0612022

仕事ばかりしていた時はあまり空を見上げることがなかった。ふと見上げた新宿の空はビルのシルエットで覆われていた。カメラをぶら下げたぶらぶらはまだ続く。

改めて907Xを使うと(当たり前だけど)デジカメって便利だなぁと痛感すると同時に、恐ろしく色の情報量が豊かだと感じる。35mmフルサイズに毛が生えた程度のセンサーサイズなので、120フィルムで撮影する時に比べてボケの量も穏やかなのがいい。

一枚一枚がビシッと決まってくれるのでフィルム写真のような面白さは薄いけど、それを補って余りある取り回しの良さと色の美しさだ。国産ミラーレスカメラを使ってる人からしたら野暮ったい動きかもしれないが、フィルムが中心の自分からしたらものすごく取り回しが良い。

デジタルライカも素敵だけど、同じ大枚叩くならデジタルハッセルも良いと思う。新製品のX2Dも出たことだし、ここらでひと財産ぶん投げてデジタルハッセルを買うなんてのはいかがだろうか?60回ローンで買ってもお釣りがくるクオリティだと思う。

命の洗濯のお供

HASSELBLAD 907Xは気軽に持ち歩くカメラじゃないので、やっぱりGRIIIがあったら良いなと思う。軽くてよく写るカメラはそれだけで正義かもしれない。広角あまり得意じゃないからGRIIIxが欲しいなぁと思い始めた。

長い休みになると夜遅くまで本を読めるのがいい。前職の通勤の時も海外出張の時も、仕事を辞めて以降もKindleのお世話になりっぱなし。

家にいるときは相変わらずTivoliでラジオを聴いている。ラジオは聞くけどスマホからRadikoを流してますって人は騙されたと思って試してみてほしい。恐ろしく音がいいから。

いわゆる解像感のある音だとかドンシャリな音ではなく、ずっと聴いていても耳に優しい音なので仕事で疲れ切った脳と耳に優しいラジオなのだ。2022年に買ってよかったものナンバーワン候補はTivoli PALだと思う。PALよりもさらに低音が締まっているという据え置き型のModel Oneも欲しい。