analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

ライカのこと

写真なんて何使ったって撮れるよって話はよく耳にするフレーズなのに、そんなことを言う人に限ってライカ使ってる気がする。

かく言う僕自身も一番稼働しているカメラはライカM6だ。

イカじゃなきゃだめなんてことはないけど、フィルムのM型ライカは写真を撮る楽しさを残してる数少ないカメラなのだ。その人の技術がダイレクトに反映されるし適当に使えばちゃんと失敗写真を作ってくれるところがいい。現代のカメラでは「美味しい失敗写真」を作る方が大変だけどフィルムライカは素敵な失敗も作ってくれる。

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露出からフォーカスまでカメラがやってくれて、なんなら手ブレまでカメラが面倒見てくれるようになってしまった現代において、M型ライカは自分の頭で考えてフォーカスを合わせて息を止めてシャッターを切らなければならないのだが、この一連の行為を通してライカは「写真の主体性」を写真の撮り手に引き戻してくれるのだ。

機械任せではない、その人となりが写真にきちんと表現されるカメラだと思っている。

…なーんて偉そうなことを書いてみたけど、僕がライカを偏愛してるのは小さくて嵩張らないからってことと、50mmまでならフォーカス合わせるのが断然楽だからってことだ。旅に出る時はライカかGRの二択だと思う。

filmmer.hatenablog.com

M6を使い始めるまでは「マニュアルフォーカスが楽だなんてそんな馬鹿な・・・」って思っていたけど、ライカに慣れた後にオートフォーカスのデジカメ使うと、コンマ何秒か引っかかるあの感じが気持ち悪いし、シャッター押しても思ったタイミングで切れてくれなくて「シャッター押してるだろこのやろー!」ってなるあの感じがとてもストレスに感じるのだ。

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イカは写真を撮る機械であると同時に、写真のエクスペリエンスそのものなのだ。

マニュアルで撮ろうと思えば手元にあるデジカメのオートフォーカスを切ればいいだけの話なんだけど、そうやって写真を撮ってもただ不便なだけで全然面白くない。フォーカスを合わせる気持ちよさ、シャッターを切る心地よさに関してはライカが頭4つも5つも抜けていて、こればっかりは替えがきかない。

最近写真が面白くないなって思っている人は一度ライカを触ってみたらいいと思う。

次回は衰退が確定的になったフィルムカメラの話と写真の将来を書いてみたい。