analogue life

シンプルでアナログな暮らし

今月のあとがき: 2024年8月

その月にあったささやかなあれやこれ、ひとつの記事に纏めるほどではないお話を書き綴る今月のあとがきシリーズが長続きしている。日記というより与太話の詰め合わせだけど、今日のはてなブログに取り上げて頂いたり、反応を頂けているのでとても嬉しい。

いつもありがとうございます。

台風7号が近づくということなので全力で休んだ

気力の限界!いのちをだいじに!

組織人としてのあたくしのモチベーションはたぶん30歳くらいで尽きてしまった。これから先はどうにか個人で仕事をして生きていきたい。でもどうやって?

わからない…ずっとここでモヤモヤして立ち止まっている。

 

低気圧が襲ってきたので、まずは頭のスイッチを切りザアザアと屋根を打つ雨音とラジオを聴きながらソファでグッタリする。

横綱級の「無気力の君」がソファの空きスペースにどっかり座ってきたので冷蔵庫から取り出した冷えた枝豆を仲良く食べるなどしたのだが、一時間もすると「何もしていないこと」に対する罪悪感がムクムク育ってきてソワソワしてしまう。

低気圧恐るべし。

 

今回の台風は新幹線や在来線の計画運休に加えて、配送や集荷の取りやめも早いうちから宣言されたらしい。

台風や災害の日は仕事なんてしちゃいけないと思う。家族と一緒に過ごせるよう、社会が良い意味で緩くなっていくのは大賛成。

いのちをだいじに!

ブラッドベリの短編を貪るように読んでいる

名前は知っていたのに作品を読まなかったことを後悔する作家がたくさんいる。困ったことに小説にしろ音楽にしろ名作を味わい尽くそうとしたら人生は短すぎる。

 

先日手に取ったレイ・ブラッドベリの「10月はたそがれの国」は非常に面白かった。遥か遠い過去の御伽話を読んでいるような、不思議な浮遊感があるミステリーだ。

死や破滅を仄めかしながらフェードアウトする様は阿刀田高の短編集にも通じると思う。とてもロマンティックかつメランコリーで、何かが欠損している世界観が美しい。

 

ジャンルとしてはSFに分類されるらしいんだけど、SFというよりは彼独特のファンタジー世界なのだ。読んでいるうちに子供の頃の思い出が揺り動かされるようにも感じる。

記憶に焼きつく野焼きの臭いやぼろぼろの海の家で焼かれるとうもろこしの香りが脳裏を掠めて行った。

とてもノスタルジーを喚起する文章だ。特に「みずうみ」の物語の畳み方は秀逸だと思う。

 

冒頭に添えられた以下の一節も素敵だ。秋の雰囲気が忍び寄る季節にぜひ読んでほしい。

…いつの年も、末ちかくにあらわれ、丘に霧が、川に狭霧がたちこめる。昼は足早に歩み去り、薄明が足踏みし、夜だけが長々と座り込む。地下室と穴蔵、石炭置場と戸棚、屋根裏部屋を中心にした国。台所までが陽に光に横をむく。住むものは秋の人々。秋のおもいを思い、夜ごと、しぐれに似たうつろの足音を立て…

日本銀行券の強靭さよ・・・

あまりの暑苦しさに帰宅即風呂に飛び込んだはよかったのだが、脱いだ服を何も考えずに洗濯機に放り込んだら財布を抜くのを忘れていた。

シャワーを浴びる前に男らしく洗剤を放り込み、スタートボタンを押し込むと洗濯乾燥機は元気に回り出した。

 

乾燥が終わって洗濯物を引っ張り出したら、黒い革の残骸と一緒にきゅうきゅうに縮んで原型を無くした土屋鞄のマネークリップが出てきた。

まるでヴィンテージ501XXの革パッチのようにきゅうきゅうに縮み、革が剥がれてそっくり返った姿はあまりに衝撃的で言葉を失った。酔いも覚めた。

 

ご覧の通りクレジットカードも200V電源の乾燥機にかかっては飴細工のようにくっちゃくちゃであるが、しかし!…新5,000円札はあの激流と激乾燥の中にあってこの通り健在だったことに驚いた。日本銀行券やるじゃないか。独立性の怪しい日銀の経済政策はクソッタレなのにお札は素晴らしいクオリティだ。

 

Suicaの強靭さにも驚いた。

こんなにひん曲がっちゃダメだろう…あれだけ熱を食らったら死んだろう…と思いつつダメもとで改札にタッチしたらピピッ!といつもの音がして改札が開いてしまったではないか。日本製品凄いな。

f:id:filmmer:20240816202216j:image

お財布を無くしたので現金とカード諸々をIKEAフリーザーバックに入れて持ち歩く羽目になった。

シースルークラッチバッグやねんと見栄を張ってみたが、全然面白くないよって一蹴された。

カジュアル仕事着を探しにユニクロに行ったら眩暈がして手ぶらで帰ってきた

仕事着に使うオフィスカジュアルを探しにユニクロに行ったら、大量の製品の中からちょうど良いものが見つからずに心が折れて手ぶらで帰ってきた。あまりに製品数が多すぎて眩暈がして店員さんに好みのものを探してもらったんだけど、それでもどうにもピンとこずに帰宅。

 

そんな話をアパレル関係の知り合いにしたら、仕事着に使うファストファッションならGLOBALWORKがいま面白いらしい。

先行するファストファッションを追い越すべくクオリティを上げているのもいいし、小綺麗なオフィスカジュアルにまとめつつ商品数を絞っているので僕のような短気な人にお勧めらしい。気に入ったのがなかったらすぐに諦めがつくから。

 

さっそくストライプ柄のパンツと靴下を買ってみたら生地もしっかりしてるしアンクルソックスに至ってはユニクロのそれにありがちな窮屈さがなく、それでいて歩いていると脱げてくるあの不快現象がなくてとても良かった。

 

f:id:filmmer:20240805190840j:image

パンツはNumber Mのような腰周りにゴムを入れたエラステックパンツなんだけど、シルエットを小綺麗にまとめつつ化繊の安っぽさが見えないのもいいし紐の端部の処理もすごく良い。ユニクロより少し価格帯が高いけど、それでもこのクオリティで6,000円程度にまとめてくれているのは凄いと思う。

GRIIIの値段がおかしいことになっていて戦慄している

このブログは元々フィルム写真の話題のために作ったものなのだが、フィルムを消費するほどではないけれどiPhoneではなくきちんと撮りたいもの、今月のあとがきに供されるような写真はGRIIIで撮っている。

 

GRIIIは素晴らしく良くできたデジタルカメラで、使っていて全然飽きないし画質が陳腐になることはないし。バッテリーが持たないことを除けば完璧なカメラだと思うんだけど…最近の価格を見たらほぼ20万になっていて驚いた。3年くらい前に買った時は11万ちょっとだったのに。

世界的インフレ、原材料や人件費の理由があったとしてもこの値上がりはちょっとどうなんだろう。

このままアメリカがリセッション入りしたら、どうやって広げた風呂敷を畳む気なんだろう。こんな値上げいつまでも続けられないし、社会が地球全体がサステナブルではない方向に迷走してるようにも見えるのだけど。

ウェルビーイングについて

一時期流行ったウェルビーイングについて、また考えている。

真面目にウェルビーイングとはなんぞ?と定義をたぐっていくと主観なんたら客観なんたらと、どこぞの役所が作ったような頭でっかち養成コースに嵌るし、SDGsが絡まってくると教義めいた臭いはするし、SDGsにいっちょかみする大資本やコンサルが「さぁ、いらっしゃい!」とばかりに待ち構えている。

 

政治システムと資本がおもちゃのように複雑にしたウェルビーイングは一旦放っておいて、シンプルにWell-beingを直訳してちょっと手心加えた「良い生き方」を実践するということでいいんじゃないかと考えている。生き方、というごくパーソナルな価値観を小難しくしてどうするんだ。

 

いろんな価値観があるけれど、現代に生きる僕たちにとって良い生き方のひとつは「追い求めない生き方」かもしれない。

あの手この手で僕らに本来必要ではないものを買わせる、いわば消費の無限回廊に囲い込むのが資本主義社会なのだから、この仕組みに絡め取られずに楽しく暮らす生き方がウェルビーイングに繋がるのではないか。モノやコトを追い求めるから出費まみれになって仕事に縛られて時間に追われてしまうんだから。

 

とはいえ僕と同じように消費のそそのかしに乗らない人が増えると、河野や小池のような人間が政治の力を使ってマイナカードや太陽光やワクチンのようなものを国民にゴリ押ししてイノベーションなき資本主義を延命させるのだろうと危惧している。温暖化でも感染対策でも名目はなんだっていいのだ。その分野に予算をぶん投げられて、国際社会(西側社会)のアジェンダに沿っていればいいのだから。

この話題はもう一度整理してきちんと書いてみたい。

 

それでは。