analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

エクタクロームは10月中旬らしい。

遂にB&Hにエクタクロームが登場。ステータスがプレオーダーになっており出荷は10月中旬となっている。某量販店に聞いたところ日本の発売も概ね同じ時期らしく、紅葉の季節にはギリギリ間に合うっぽい。

エクタクロームはまさかの復活アナウンスから、予定が延期されたり情報が出てこなくなったりと何度か不安になったが、まずは無事に発売にこぎつけたコダックには賛辞を送りたい。今年の1月に仮想通貨ビジネスに手を出したと聞いた時は、正直もうこの会社ダメだな、とかエクタクロームの復活もきっとないんだろうな…なんて思ったけど。兎にも角にもちゃんとエクタクロームを供給できる状態になったということで安心した。

 

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Kodak Professional Ektachrome E100 Color Transparency 1884576 

 

ところで、1本13ドルというのはいかがなものだろうか。

B&Hで他のコダックのフィルムを眺めてみるとEktar 100が1本7.49ドルなのだが、これが日本にくるとヨドバシで買って¥1,590付近なので、単純計算するとコダックアラリスジャパンに良心のかけらもなければ1本あたり¥2,757也、ということになる。高え。

確か先代エクタクローム終売時の価格は1本¥900前後だったはずなので、今のコダックアラリスジャパンの値付け路線からするとおそらく3倍以上の値札がつくことになるわけで、こんな高い値札付けていたらフィルム写真道楽を志す人を増やすことには繋がらないよなぁ、と思う。生産ライン作り直したり輸送のコストがある事は承知してるけど、それでも高えとしか言いようがない。エクタクローム100本使ったら現像コスト込みでズミクロン35mmを新品で 1本買えちゃうじゃん、とか。

 

インスタとかチェキ経由でフィルムカメラの楽しさに目覚めかけている人たちを含め、もっとアピールできる価格で市場に出せばいいのに…というか、コダックは全般的に高すぎ。アメリカの小売価格を猛省してそこそこの値段でEktachromeを発売して、Ektachrome発売記念とかこじつけて、ついでにPortraもEktarも30%くらい安くすればいいのに。

Adox Silvermaxは凄いフィルム

現像から上がってきたSilvermaxのネガをスキャンして驚いた。これはちゃんとプリントしなきゃダメだなと反省した。

メーカーの受け売りじゃないけど、このフィルムは階調が豊かで暗部の分離も良く、粒状性も驚くほど優秀。もしかしたらズミクロン50mmとの組み合わせがよかっただけなのかもしれないけれど、そこらへんのデジタルカメラで撮ったRAWをLightroomで丁寧に現像した写真よりも繊細で、自分の写真の腕が二階級特進したのかと思った。

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Bessa R3A/Summicron-M 50mm/Adox Silvermax 

 

粒状性が良いモノクロフィルムといえば富士のACROSがまず思い浮かぶけど、あちらは精緻かつ軽やかな印象である一方、Silvermaxは精緻ながらドスンと重い感じ。きれいに削った5Hから2Bくらいの鉛筆を順に使って丁寧に線を重ねて影を作っていった様な。そんな印象。

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Bessa R3A/Summicron-M 50mm/Adox Silvermax 

 

このフィルムはその性能を引き出すための専用の現像液がある。これは次回試してみたい。劇的に何かが変わると云うことは恐らくないと思われるけど。

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 Bessa R3A/Summicron-M 50mm/Adox Silvermax 

 

富士のACROSがディスコンになった後は、多分このフィルムがACROSのポジションになるんじゃないかと勝手に考えている。さすがにACROSのコスパには勝てないとはいってもSilversalt.jpさんで10本セットで買えば1本あたり800円程度だし。

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Silvermaxは価格もこなれていてとても好みのフィルムなのだが、夜の路地裏なんかを撮るとAdox SCALAのような重厚さを感じる。

Silversalt.jpさんによるとSilvermaxとSCALAはどちらも同じフィルムなのだそうで、Silvermaxをリバーサルフィルムとして現像したい場合はISO160のフィルムとして使えばいいらしい。わざわざ名前を変えて売るAdoxの意図がどうにも解らない。

filmmer.hatenablog.com

ちょっと前に現像から上がってきたSCALAと今回使ってみたSilvermaxを比べてみると、後者の方が若干精緻さが上のようにも感じる。現像の違いが原因なのかもしれないし使ったレンズの差かもしれないし、気持ちの問題かもしれないけど。

ここら辺の違いはゆくゆく試してみたいと思っている。

 

ライカM6かMPが欲しくなってしまった件。

ここ数週間、猛烈に35mmのフレームが欲しくて仕方がない

現在持っている唯一のフィルムカメラであるBessa R3Aは、ファインダーに40mmフレームまでしか表示されないのだが、倍率1倍の素通しファインダーは両目で覗くと風景の中にフレームが浮かぶ様で、50mmレンズを付けてぶらぶら散歩しつつファインダーを覗くととても気持ちがいい。

先日ズマロン35mmを買った際に一瞬「35mmフレームがあったらいいな」と思ったけど、ファインダー内の40mmフレームをレファレンスに数十枚写真を撮ってみたところ、フレームの中に予想だにしないモノや人が入り込まなかったので脳内35mmフレームはそこそこ優秀だなぁ…と感じたものだし、事実今までのところ脳内35mmフレームがちゃんと仕事をしているので、写真を撮るという意味ではなんら問題はない。

filmmer.hatenablog.com

 

ところが、先日うっかりM10-Pを弄ってしまったのである。

デジタルライカに興味がない(モノクロームは除く。あれは強烈に欲しい)ので、M10いいなーとかM10-Pいいなー…なんてことにはならなかったのだけど、35mmのフレームがあるとやっぱりいいな、と云う心持ちになってしまった次第なのである。

じゃあBessa R2を探せばいいじゃん…と云う話なんだが、もう正直に白状すると35mmフレームの付いているライカが欲しくなってしまったのである。ある程度状態が良くて露出計がついてるやつ。

 

www.mapcamera.com

イカは触っちゃダメだね。

遠くから眺めてる分には問題ないけど、うっかり触っちゃダメ。触覚に訴えかける何かがあって、あの重さとか手の中での収まりだとか、パーツの感触だとか。物としてとてつもなく良く考えられていて、触っているうちに取り憑かれる。取り憑かれた後に他のカメラを触ると漏れなく「あれ、これ違うな」と云う心持ちになる。

そんな訳で、ここ数日もうそれこそ職場で家で、移動中であっても状態のいいM6がないかネットを徘徊している。うっかりするとMPの新品が欲しいとか思ってたりする。また悪いことに数日おきに変な魔が差して、ライカアラカルトってのも悪くないんじゃないか…なんて心持ちになったりもする。

魔が差した勢いでオーストリッチ革貼りにしてノブをクランクに変更して、ブラックペイントをブラッククロームに変更して見積もりしてみたらとんでもない金額になっていてたまげた。

jp.leica-camera.com

こうやって諸先輩方はライカ沼に落ちていったんだろうなぁ。

自分の場合はBessaに付けるレンズにうっかりズミクロンを選んでしまった時点で、遅かれ早かれこの沼地に落ちる運命だったのかもしれない。

どこかに程度のいいM6かMP、落ちてないかなぁ。