analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

春風のおもいで

2023年2月19日 曇り時々雨ごくまれに晴れ 春風ひどい。

春風吹き荒ぶ首都圏の天気は、曇ったかと思えば急に陽が差したり雨が降ったりで一日中落ち着かなかった。ほとんどの時間は曇天で、時々真っ黒な雲が地面に湿度を撒き散らすかのようにずっしりと頭の上に乗っかっていた。そんな2月半ばの日曜日。

ずっと寒い日が続いていたのだから暖かい陽気は嬉しいはずなのに、このずっしり重たい黒い雲と暖かい春風の組み合わせはどうにも気分を滅入らせてしまうみたいだ。あれもしなきゃこれも終わってない、このままだと出遅れてしまう…と気分がソワソワして考えが纏まらない。

それはきっとこの気候が日本の3月-4月、自分の身の回りの仕組みや人間模様が変わってしまう時期の記憶を運んでくるからだと信じている。

僕は受験の勝ち組でもないしまともな就職活動もしなかった。

すごい苦労をした記憶もない一方で受験に勝ち残っただとか有名企業から内定もらったみたいな華々しい思い出がこの季節にはない。むしろ「これからどうなっちゃうんだろう…自分」という一抹の不安に取り憑かれていた期間が長過ぎたんだと思う。

仕事を初めて以降は所謂日本社会の3月4月の憂鬱と無縁の生活を続けてきたけど、突然吹き始めた生暖かい春風は、杉花粉と一緒に学生時代に何度も感じた憂鬱と不安を運んできたのだ。

大きなくしゃみを3つしてみたけど、ソワソワは消えない。

 

光の粒をとらえるシネマフィルム

最近長巻フィルムを使う人が増えてきた気がする。

世の中的にはフィルムで写真撮ってる人なんて超少数派だしモノクロフィルムで写真撮ってる人なんてもはや絶滅危惧種として保護してほしいくらい少ないので、フィルムローダーを買って長巻デビューした人が増えてきたと言っても僕が見聞きする範囲の超絶狭い世界の話なんだけど、この小さな世界では長巻がちょっとしたトレンドになっていると思う。

ほんの3,4年前まで¥890だったKodak Tri-Xが1本¥2,900まで高騰したのはどうにも解せないし既に消費財の価格として常軌を逸しているので、肝の座ったモノクロフィルム愛好家がフィルムローダーを買って長巻を詰め直す方向に進むのは当然の流れだろう。富士フィルムもアラリスもビジネス続ける気がないようなので仕方ない。

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豚汁2.0

みんながあまり気づいていない(と勝手に考えている)二日目の豚汁の旨さについて。

寒い夜に啜る出来立ての豚汁は勿論美味いのだが、翌日に温め直した豚汁も実に美味い。鍋の底に残る煮崩れた野菜と豚肉の残骸が醸し出す旨味のカオスが脳を駆け巡るのだ。

土曜日の朝はあまりにも寒かったので早朝から豚汁を作る。

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