市販された最古の現像液はロジナールだと思う。
特許の成立が1891年なので2020年で齢129歳になる超古参の現像液であり、2つの世界大戦を超え3つの世紀にまたがって未だに製造が続けられる現役の現像液。
保存性もいいし高希釈で使えるし価格も安いしビシッとシャープに決まるし…といいことづくめなのだけど、粒状性はあまり良くない。
LEICA M6/Summicron-M 50mm F2/Kodak Tri-x 400
記憶が曖昧なんだけど、上の写真は22-23℃で通常よりも1,2分長く現像したと思う。
ザラザラ…とまでは行かないまでも粒状感は豊富だしコントラストも高い。今まで慣れ親しんできたロジナールの絵がこんな感じ。
普通に20℃に調整して現像してもロジナールはやっぱりざらっとした仕上がりになる。
このザラ感がフィルムっぽくていいなぁと思う場合もあるけど、もうちょっとおとなし目に仕上がってほしいと思ったので今回は温度を下げて現像を試みた。冷やしロジナールである。
Hasselblad 500C/M/Planar CF 80mm/Kodak Tmax 400/Rodinal 15C 20 minutes
Hasselblad 500C/Mに詰めたTmax400を15℃に調整したロジナールで現像した。
攪拌は20℃現像の場合と同じ条件ながら温度を下げているので現像時間を20分取った。Tri-XとTmaxなので単純な比較はできないと思うがいかがだろう?
Planar CF 80mmのフワッフワなボケ味にマッチするかのように、コントラストも落ち着き微粒子でトーンに溢れるネガができたと思う。
Rolleicord IV/Xenar 75mm/Kodak Tmax 400/Rodinal 15C 20 minutes
こちらはXenar 75mm。雲から覗く陽光の調子も雲のトーンも粒子感もとても良いと思う。
Hasselblad 500C/M/Planar CF 80mm/Kodak Tmax 400/Rodinal 15C 20 minutes
冬場は低温現像に向いている季節なのでもうちょっと早くこの記事を書きたかったけど、私生活と仕事が殺人的に忙しく写真や物書きに割ける時間がまるで無い。
今月こそはアウトプットを増やしたい…と思う。