フレーミングも構図も大雑把でいいから使っていて楽しいカメラ…ということでここ数年ずっとレンジファインダーを使ってきたんだけど、昨年末あたりから構図をきちんと取りたくなり一眼レフばかり使っている。
とは言ってもそんなにカメラもお金も持ってるわけでもないので、最近気に入ってるのは確か3,000円か3,500円で買ったPENTAX SP。
当然のように露出計死んでるしスレ傷たくさんあるけど、プラスチックを多用するようになった日本製品にありがちなツルツルテカテカスカスカ(そしてベタベタ)な感じがなく、金属製のずっしり感があってとても良い。驚いたことにもう60年前の製品にも関わらずリコーイメージングのサイト中に取説PDFが残っている。これも凄い話だ*1。
僕の手元にあるSPは造りがとても良い個体なのか製造から60年経ってもへたれてる要素がないし、なによりM42レンズという深淵な規格への入り口として僕の財布に小さな穴を開けたカメラでもある。
いつの間にか12,000-20,000円くらいまで相場が上がってしまったけど、未だに6,000円台の実用品を見かけるので、いい個体を見つけたら連れて帰ってあげてほしいカメラだと思う。
PENTAX SPにDouble-X(5222)を詰めて撮った2025年のファーストロールから何枚か御賞味ください。










写真はすべてPENTAX SP, Flektogon 35mm F2.4, Kodak Double-X
ここで非常に残念なお知らせ。
今更気づいたけどコダックモーションピクチャーはDouble-Xを含む映画フィルムの販売を極度に制限し、映像制作者であることを証明できない限り売らないことにしたらしい*2*3。
これは世の中に数多ある詰め替え業者対策とのことだが、何故かCinestillだけは話が別なのだそう。
Cinestillといえどもやってることは詰め替え業者と同じなのだから不平等が過ぎるし、僕みたいに誰にも売らず自家現像している個人と詰め替え業者なんぞを一緒くたにするのはとても失礼だし乱暴がすぎる。
この件で憎むべきは適当な商売した詰め替え業者なのかもしれないけれど、もしコダックが「Double-XもVISIONも売れてるようだからパトローネ詰にしてついでに値上げしてアラリスから売ったろ1本3,600円や」とか「そしたら詰め替え業者対策にもなって売り上げアップ!」なんて本当に考えてるとしたらゲス中のゲスだと思う*4*5。
一度没落したとはいえ会社のカルチャーや意思決定に至る思想が変わってなさそうだし、詰め替え業者の利益を皮算用してその利益を取りに行く(なんならコダックのパトローネに詰めて「伝説の映画フィルム」なんて付加価値をつけてさらにぼったくる)くらいの考えだろう。
ちなみにコダックモーションピクチャーは僕が送った確認のメールをガン無視して返信すらよこさないことをここに申し添えておく*6。
小さい顧客かもしれないけれどモーションピクチャーには数十万円使っているので、嫌な大人を見た子供のような、とても残念な気持ちで胸が一杯になっている*7。
結局のところコダックといいフジといい、消費財を寡占状態で大口顧客相手にBtoB商売をしてきた企業はどこまで行っても末端の顧客エンゲージメントなんて概念が根付かないし、いざ商売相手が小口の個人になっても旧態然と紙ペラ一枚で*8済ませて顧客の神経を逆撫でする。ファンミーティングをやったり顧客とコミュニケーションを取ろうとするPENTAXとは顧客との向き合い方が別次元だ。
官公庁警察から新聞社まで大口顧客がいた昔は良かったけれど、これから先はあのやり方はだめだと思う。いくら半独占状態とはいえきちんとユーザーと文化を耕さないと将来は暗いと思うんだけど、どうだろう?。
長々と文句を書いてしまいそうなので、いちフィルム消費者の心の中を脚注に記してこの記事の締めに向かいたい*9。
さよならDouble-X、さよならVISION3。さぁ、新しいフィルム探しの始まりだ。
*1:https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/man-pdf/sp.pdf
*2:https://www.film-photo.net/articles/kodak-limits-respooling
*3:コダックモーションピクチャーのストア[https://store.shopping.yahoo.co.jp/kodak/mpnews24001.html]では「諸般の事情により」とだけ理由が記されている。「諸般の事情」だなんて言われると馬鹿にされているようにしか聞こえないんだけど。
*4:概ねこの通りのことを会議室で決めたのではないだろうか。この20年近くコダックがやってきたことを振り返ると、どうせこんなことだろうという想像しかできない。関係者がこのブログをご覧になっていて「いやいや違うよ!」ということであればご指摘いただきたい。消費者のコダックに対する信用はゼロだと思うから。
*5:自現機壊れた若者けしからん!おじの一部がコダックのこの決定に賛辞を送ってるけど、日本みたいな激狭マーケットの自現機なんか知ったこっちゃないと思うよ。
*6:丁寧なご質問のメールを認めて1月12日に送ったのに彼らは未だに回答してこない
*7:「お客様は神様」というメンタリティは大嫌いだけど、それでも最低限のカスタマーサービスというか、メールの返信くらいあってもいいと思う。社会人一年生が教わることすらコダックモーションピクチャーは出来てない。喝だ。
*8:この場合はYahooショッピングのページの一部で
*9:「あんたらがろくすっぽ説明せずにいたずらに値上げばかりやった挙句、おいそれと買えない値段になったから映画フィルムを切って詰めて凌いでたのに、さらに利益を上げるために映画フィルムの供給を制限するとかふざけんなよ。絶対また躓くぞ。ユーザーと向き合ってくれ。」