analogue life

シンプルな暮らし

道楽殺しの10連休

地獄の10連休が終わった…と口にすると客商売をしている方からぶん殴られるか冷たい目で見られるんだろうな、くらいには思っている。天皇陛下即位に伴う10連休を取れたのは25%程度で、うちの家内を含む大多数は仕事をしていたのだから。

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私は10連休を取れる側に居たにも関わらず、家庭内の休日格差のため自動的に10日間のワンオペ子守が確定。休日ゼロで子供の相手を続けていたのである。世間様が旅行だのバーベキューだの飲み会だのと言っているのを白い目で眺めつつ、途中やけくそで昼から酩酊しながら子育てをやっていたのである。

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私と同じ境遇を探していたら、家事育児に追われる人たちにとって10連休は同じように悪夢だったらしい。関係ないけど不倫女子も憂鬱な10連休を送ってた…とかふざけた記事まで引っかかった。女子とおばさんの違いって何だ?くそう。

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お陰様で連休明けの適応障害もどきには一切ならなかった。

みんなが仕事へのチューニングが全く合っていない中一人ロケットスタートだぜ。ツヤツヤテカテカの顔して土産のお菓子を持って出社してきた人がちらほらいたけど、こちとらリフレッシュなんて全然してないんだぜ。 

N0412019

LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fomapan 400 

平成最後の日は皇居に向かった。

実は初めて二重橋に行った。

恥ずかしながら二重橋とは手前の石橋ではないと云うことを初めて知った。平成から令和に年号が変わるだけで私たちの暮らす世界は何一つ変わらないけれど、どういう訳か平成のうちにフィルムで皇居を撮っておきたくて足を伸ばした。

子連れ狼スタイルで小雨降る丸の内を抜け皇居へ。頭をフードで隠してブロックテックの中に忍ばせたM6がもっこり膨らんでいるもんだから警備員にジロジロ見られるんだけど子連れだからか職質はなし。

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fuji ACROS

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fuji ACROS

あてもなく歩く。

正直なところ私は労働が好きではない。しかしながら退屈な毎日も堪え難い。

子連れ狼スタイルでカメラを下げて当てもなくぶらぶらと歩く。

独り身であった頃はリュックに荷物を詰めて見知らぬ土地をぶらぶらと歩いていたのだが、今の身分になってからと云うもの、ぶらぶら歩くと云っても自宅から遠くないところを彷徨う以上のことができない。これは辛い。10連休よ止まってくれ。

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fomapan 400

子連れ狼4日目あたりから、徐々に考え方が変わってきた。

自由度がきつく制限されるのは確かに辛いんだけど、考えようによっちゃヴィヴィアン・マイヤーだって家政婦しながら写真を撮ってたんだし、わざわざ遠出しなくても身近なところに写真の題材なんてゴロゴロ転がっている。遠出ができない辛さは近所で面白いことを見つけて潰しちゃおう、と。

そう開き直って視点を変え、改めて電車で行ける範囲をぶらぶら歩くと、いままで見逃していた景色が沢山あって面白かった。「ささやかな面白い物や事」を見つけ出す能力は写真の才能の一部だと思うので、見慣れた場所をぶらぶら歩くのは感覚を研ぐいい機会なんだなぁとも思った。ぶらぶら歩き楽しい。

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fomapan 400

 

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Nikon F80S/Nikkor 58mm F1.4G/Fomapan 200

 

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Nikon F80S/Nikkor 58mm F1.4G/Fomapan 200

 

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fomapan 400

 

面白い事や物は意外に自分の身近にあるもので、毎日仕事ばかりしているとそれらを見つけだす能力が鈍ってしまうんじゃないかな。連休というのは一人の人間に戻る時間であるべきなのだ。

ちょっといいこともあった。

正確にはゴールデンウィーク開けのある日、随分前から気になっていたエルマリート90mm F2.8をお譲り頂くことができた。散々テレ・エルマリート 90mm F2.8と散々悩んでいたが、突然降ってわいたご縁に身を任せる事にした。

掌に乗せた1960年代製造のエルマリートは、製造から70年近く経過しているにも関わらず工芸品のように美しくずっしりと重い。やはりこの時代のライツ社製品は素晴らしいものがある。

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iPhone SE/VSCO film

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iPhone SE/VSCO film

イカの90mmは銘玉揃いと聞く。早速Tri-X 400を装填し撮り始めたが今から現像が楽しみで仕方がない。 

仕事始めにふと思ったこと。

10連休を目一杯遊び倒した人も家事育児に追われたであろう人も、はたまた家族サービスで疲弊した人も、多かれ少なかれ「ひとりの人間」の顔をして職場に戻ってきたように見えた。

会社組織の構成員としての社会人の容貌は勿論前面に出ているものの、喋り方や仕草に今まで見えなかった個々人の人となりを纏って戻ってきたような感じ。

思い過ごしかもしれないけどね。

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LEICA M6/Summaron-M 35mm F2.8/Fuji ACROS