analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

Photograpy

60年前に製造されたレンズの話:Summicron-M 50mm Rigidについて

Summicron-M 50mm 1st Rigidが手元に転がり込んできた。 転がり込んできたんじゃないでしょ?買ったんでしょ?って言われたらそれまでだが、レンズはそれぞれの画角で好きなものを一本だけという固い信念が揺らいでしまった。 外装ボロくていいからガラスの…

冷たい雨の土曜日

雨が屋根を叩く音で目を覚ます。 ベッドから手を伸ばして床に置いてあるラジオのスイッチをつけたらチェコ少年合唱団の優しい合唱が流れてきた。 厚い雲を通して届く朝の光はいつもどことなくカラーネガ調で、憂鬱な気分になることもあれば優しく感じること…

アナログ写真の未来

最近中判カメラの中古価格が下がってきた気がする。フィルムの価格も馬鹿みたいな水準だし今度こそ本当にフィルム写真終わったな…という話が方々から聞こえてくるようになったので頭の片隅のもやもやを書き出してみた。 結論から言えばデジタルコンテンツが…

ライカのこと

写真なんて何使ったって撮れるよって話はよく耳にするフレーズなのに、そんなことを言う人に限ってライカ使ってる気がする。 かく言う僕自身も一番稼働しているカメラはライカM6だ。 ライカじゃなきゃだめなんてことはないけど、フィルムのM型ライカは写真を…

光の粒をとらえるシネマフィルム

最近長巻フィルムを使う人が増えてきた気がする。 世の中的にはフィルムで写真撮ってる人なんて超少数派だしモノクロフィルムで写真撮ってる人なんてもはや絶滅危惧種として保護してほしいくらい少ないので、フィルムローダーを買って長巻デビューした人が増…

もう手に入らないカメラと、過ぎ去った時間と

5年ぶりに自室の大掃除をした、というか大掃除されてしまった。 ここ6-7年は制御不能に仕事と私生活が忙しく、自分の時間なんてほとんど取れない日々が続いてきた中で僕の部屋(作業場所)は大変な状態になっていたようだ。印画紙の箱やフィルムの山が積み重…

言葉が溢れ始めた

師走の銀座をぶらぶらしながら行き交う人を眺め、自分の2022年を振り返っていた。 1年をマラソンに例えるなら、12月のこの時期はゴールに向けて最後の直線を走っているところだと思う。ヨレヨレになりながらゴールに向かっている人もいれば涼しい顔して走っ…

Flickrに日本語のフィルムグループを作ってみた

そろそろSNSは限界点に到達しつつあるのではないかと肌で感じている「いま」をどうにか言語化してまとめてみたら、強い言葉を使いすぎたせいか思いの外反応が無くてびっくりしている。表現の悪さは反省しなきゃいけないとして、大筋の主張に誤りがないと確信…

文章を書くこと、写真を撮ること、ブログを続けること

人類が文字を使い始めた歴史を辿っていくと、メソポタミア人が粘土板に楔文字を記した約5000年前に辿り着くらしい。粘土板から始まった文字の伝達は長い時間をかけて紙とペンに到達し、現代に生きる僕たちはプラスチックと金属で作られたでこぼこの板を指先…

2032年になっても愛用してるだろう

今年も残すところあとわずか。 一年を振り返りつつ買ってよかったと思うものを指折り数えていくと、「便利な何か」ではなく「使って心地よかったもの」だったことに気が付く。 10年くらい前はデジタル製品やガジェットめいたものを買っては屁理屈並べて喜ん…

ライカだけぶら下げて

少しずつEastman Kodak 5222との付き合い方がわかってきた。 引き続きSummicron-M 50mmをつけたLEICA M6を首からぶら下げてぶらぶら歩いて写真を撮っている。一回のぶらぶらで撮れる写真は限られているし、人に見せられる写真なんてほんの一握りだけどそんな…

ものを書くことは自由なこと

日曜の夜にラジオから流れてきた言葉が脳裏に焼き付いたまま残っている。 このラジオだって僕一人では絶対にできません。ところが書くという行為は書くものさえあれば誰の手も借りずに完成させることができます。たとえ字が汚くても紙が安い藁半紙だったとし…

原点に帰って日常の写真を撮っている

拝啓 50mmレンズ様 今年の秋は日没時刻を除けば全然秋らしくなく、毎日がぽかぽか日和で半袖で過ごせる日々が続いています。 世の中の大多数がスマホで写真を撮るようになって以降、標準レンズの定義がどんどん広角側に寄っているような気がします。「標準レ…

SWCと歩く海岸線

小雨混じりの昼下がり、ヨットが浜に打ち上げられていた。 この無職期間中はHASSELBLAD 907Xばかり使っていたけどバッグの中には当然フィルムハッセルも入れていて、気が向いたらTmaxを詰めたSWCでも撮っていた。 機材を詰めたリュックサックを担いで海岸線…

長い休みが終わる

もうすぐ無職期間が明ける。晴れて社会復帰だ。 とはいえこの1ヶ月完全に自分のためだけに生きていたので、どんな服着て家を出れば良いのか仕事仲間とどんな口調で会話をすれば良いのか全く想像がつかない。 社会人になってそこそこ長い期間が経っているはず…

アレック・ソス展にもう一度

10月10日で終了になるアレック・ソス展を見に再び葉山へ。 おなじ写真展に何度も足を運ぶのは久しぶり。何度も見たいと思う展覧会はやはりクオリティが高い。前回来たのが夏真っ盛りの恐ろしく暑い日だったのに、今日は一転して真冬のような寒さと雨。関東地…

お台場から佃島へ向けて歩く

HASSELBLAD 907Xをお供に引き続き無職ぶらぶら歩きを続けている。iPhoneのFitnessアプリによると最近は一日10-15km歩いてるらしい。 これだけ毎日ぶらぶら歩いているといままで毛嫌いしてきたスマートウォッチを買っても良いかな、なんて思い始めた。バッテ…

大きなカメラを持って平日ぶらぶらしてる

仕事を辞めた。いまは命の洗濯をしている。 …なんて言うと凄くかっこいいけど、要は好きなことをして次の仕事までの時間を過ごしているという話。 ここ5年ほど公私共に全く気の休まらない毎日が続いていて、トドメとばかりに飼い猫2匹が立て続けに亡くなって…

写真に行き詰まった時は

写真家の名言を検索できるサイトを眺めていたら半日が過ぎていた。 有名どころの写真家の名言がたくさんあってずっと見てても飽きない。エルスケンいないじゃんとかアラーキーいるけど土門拳見当たらないじゃん…みたいな過不足があるのは仕方がないとして、…