analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

フィルム風に仕上げるフィルターの話

あまりにもコストが高すぎてカラーネガフィルムで写真を撮るのは無理だ。 そう誓って(言い訳して)GRIIIを買った筈なのに、気が付けばカラーネガの色乗りのよさと表現力を手放すことができずにずるずると買い続けている。あまりにも高いから最近は使う前に…

IPA2023から賞を頂きました

International Photo AwardからHonarable Mentionを頂きました。 これは3等に次ぐ佳作の位置付けとのこと。選外に放り出されなくてよかった気持ちとあわよくばもうちょっと行けたんじゃないかという気持ちがほんのり残っているものの賞を頂けたことは純粋に…

フィルムに残された夏休みの思い出

なつやすみの思い出をHASSELBLAD 907Xで撮った記事の続き。 今年の夏休みは久しぶりにデジタルを持ち出してあちこちぶらぶらしていたけど、もちろんフィルムカメラも連れ出していた。ようやく現像が終わったのでカラーネガフィルムに記録された今年の夏休み…

週末のラジオがおもしろい

ラジオが好きだ。 芸人同士のいじり合いもなければ年寄りの政治論争もないし、画面を通してセットの安っぽさを感じることもないし同調を強いるようなテロップの垂れ流しもない。楽しく喋ってますから気になったら耳を傾けてくださいね、みたいなお気になさら…

暑がりの僕は無印良品の布帛Tシャツにいたく感動した

無印良品が作っている布帛(ふはく)Tシャツにいたく感動したので、感動の熱があるうちに書き残しておきたい。今日リピート買いに走ったらセール価格になっていて在庫僅かになってしまっていた。まだ今年の夏は終わってないのに。 布帛と書いて「ふはく」と…

なつやすみの思い出

ダムダムダム…ダムダム…ガコン…ザッ…ダムダムダムダム…ガッコン… ベッドに寝転がっていたら近所の子供がバスケットの練習をする音を遠くに聞きながら眠りに落ちていたらしい。リズム感のある音の反復は眠りの入り口だ。目を覚ますとリビングからは朝ごはんの…

Tivoli PALを室内アンテナにつなげた話

このブログで何度もいいぞいいぞと言っているTivoli PALのアンテナが折れた。 2度ほど机から落ちた(落とされた)際の当たりどころがいずれも悪かったらしく、アンテナの角度を変えようとしたらポッキリ折れてしまった。この小さなラジオはポップな見た目と…

なんでもないある夏の日の写真

幾つ歳をとってもこの季節は苦手だ。 寝苦しい暑さの中で扇風機が部屋の空気を細切れにする音を聞きながらウトウトと眠りに落ちたかと思えば、窓から差し込む日差しが強引に眠りから引き戻す。「美しい日本の夏」なんて言う人が数年前にいたけど最近あまりこ…

B&Hで売っているUSEDフィルムを買ってみた

フィルム代についてジョセフ・クーデルカは以下のように語っている。 If I couldn’t shoot lots of photos, I would not be the photographer that I am. Still, the cost of film has often been a problem. At times, to save money, I had to work with r…

夏の海辺には歳の数だけ思い出があるのかもしれない

2023年の夏がはじまる。 人生で何十回も日本の夏を経験しているというのに一向に飽きない。子供の頃はただただ楽しかった夏が10代の後半になるとうっすらとメランコリーな、憂いの影を帯びた夏になり、20代のはじめの夏は社会が押し付けた理不尽な拘束着と汗…

PORTRA 400の最安値を見つけたかもしれない

フィルムの値上がりも凄いがドル円のレートも極悪なこの数ヶ月。 PORTRA 400を量販店で買うと¥18,800もするので仕方なくB&Hで買ってたんだけど、ドル円が140円を超えてきたため全然割安感がない…。これを書いている時点でのドル円のレートは1$=143.7円。B&H…

おしらせ

このブログのデザインを変更したので過去の記事も見直してみた。 あまり記事としての価値がないものを取り下げることでわずかだけどブログの質が上がったと思うんだけど、フィルム写真やアナログ生活を綴るブログにしては随分と理屈っぽい文章を書いていたこ…

カラーネガフィルムに帰る

もうカラーネガはダメだ、あの値上がりに付いていけない! そう思い2021年の初旬にHASSELBLAD 907xを買いカラーはそちらに全て集約することにした。 その後カラーネガの供給不足が起こり、もう一段値上がりが起きてポートラ400の国内価格は5本で¥18,800とい…

大きな子供のように生きている

明日でまた歳をひとつ重なることになるのだけど、今までの人生を振り返ってみると「ぼんやりしていたら大人になってしまった」ということに尽きる。 今年のこどもの日は小さな子供の手を引いて結婚式に出席していた。周囲にも小さな子供がたくさんいて、あぁ…

切り替えができない

デニムパンツを裏返し、洗濯機に放り込んだ。 まさかの9連休となった今年のゴールデンウィークも今日でおしまい。こんなにまとめて休めたのは何年ぶりだろう。 この連休中は組織の中での言葉遣いを捨て当たり障りのない服をクローゼットに押し込んで、Tシャ…

逗子映画祭について言いたいことが山ほどある

それはきっと僕だけではないと思う。 毎年足を運んでいる逗子映画祭に今年も行ってきた。 このイベントは浜辺でのんびり映画を観るという素晴らしいイベントなのだが、今年はなんだか酷い有様だった。こんなことわざわざ書きたくなんてないけど、書かずには…

生活の写真

ゴールデンウィークはその年の最初の中継地点のようなもの。ヨーイドン!で年始から仕事を初めてたくさん走って走って走って(時々ずっこけて)辿り着いた中継地点なのだ。 超インドアに育ちつつある子供に引っ張られどこにも行かない連休になることがほぼ確…

伝えたいこと、伝えること。

写真を撮る私は留守にしています。御用の方はメッセージを便箋にしたためてポートラ1本を添えて私の郵便受けに入れておいてください。気分が晴れたら写真を撮りに出かけます。 六本木の裏路地で少し早い昼を食べながらブログを書くこと、書いた文章を世に放…

ハレの日はカラーネガフィルム

春はあけぼのカラーネガ。 出会いと別れの季節をきちんと写真に残してあげるためにポートラを買った。 あっという間に価格が高騰し5本で18,800円というとんでもない価格なのでもう日本で買うことはできないけど、海外から調達すれば10本で160ドルほどで調達…

冷たい雨の土曜日

雨が屋根を叩く音で目を覚ます。 ベッドから手を伸ばして床に置いてあるラジオのスイッチをつけたらチェコ少年合唱団の優しい合唱が流れてきた。 厚い雲を通して届く朝の光はいつもどことなくカラーネガ調で、憂鬱な気分になることもあれば優しく感じること…

アナログ写真の未来

最近中判カメラの中古価格が下がってきた気がする。フィルムの価格も馬鹿みたいな水準だし今度こそ本当にフィルム写真終わったな…という話が方々から聞こえてくるようになったので頭の片隅のもやもやを書き出してみた。 結論から言えばデジタルコンテンツが…

ライカのこと

写真なんて何使ったって撮れるよって話はよく耳にするフレーズなのに、そんなことを言う人に限ってライカ使ってる気がする。 かく言う僕自身も一番稼働しているカメラはライカM6だ。 ライカじゃなきゃだめなんてことはないけど、フィルムのM型ライカは写真を…

写真と音楽

正対した左右対称の写真はテクノだという話を耳にして面白い例えだなぁって思った。 スタジオで撮ったビシッと左右対称な写真はミニマルテクノっぽいし、自然の中にある左右対称はアンビエントテクノっぽい。キラキラした都会の夜の左右対称はテクノポップっ…

春風のおもいで

2023年2月19日 曇り時々雨ごくまれに晴れ 春風ひどい。 春風吹き荒ぶ首都圏の天気は、曇ったかと思えば急に陽が差したり雨が降ったりで一日中落ち着かなかった。ほとんどの時間は曇天で、時々真っ黒な雲が地面に湿度を撒き散らすかのようにずっしりと頭の上…

光の粒をとらえるシネマフィルム

最近長巻フィルムを使う人が増えてきた気がする。 世の中的にはフィルムで写真撮ってる人なんて超少数派だしモノクロフィルムで写真撮ってる人なんてもはや絶滅危惧種として保護してほしいくらい少ないので、フィルムローダーを買って長巻デビューした人が増…

豚汁2.0

みんながあまり気づいていない(と勝手に考えている)二日目の豚汁の旨さについて。 寒い夜に啜る出来立ての豚汁は勿論美味いのだが、翌日に温め直した豚汁も実に美味い。鍋の底に残る煮崩れた野菜と豚肉の残骸が醸し出す旨味のカオスが脳を駆け巡るのだ。 …

秘密基地とマットレス

16年ぶりにマットレスとベッドを買ったらびっくりするほど生活の質が改善した話。 昔使っていたマットレスをフランスの友人に譲って以降ずっと家内のマットレスを寝床にしてきたのだが、先日引っ越しに合わせてもう一つベッドを買った。夫婦不仲ということで…

もう手に入らないカメラと、過ぎ去った時間と

5年ぶりに自室の大掃除をした、というか大掃除されてしまった。 ここ6-7年は制御不能に仕事と私生活が忙しく、自分の時間なんてほとんど取れない日々が続いてきた中で僕の部屋(作業場所)は大変な状態になっていたようだ。印画紙の箱やフィルムの山が積み重…

ベッドの中で過ごす週末

関東地方は冷たい雨の夜明け。久しぶりに耳にする雨の音は心地いい。 週末が雨だとちょっぴり残念な気分になるけど、この冷たい雨の中仕事に行かなきゃいけないことを考えると雨の音を聞きながらベッドの中でのんびりできる週末も悪くない。今週はとても疲れ…

浅い眠りと夢の境界線

ボックス席にぼんやり座って窓の外を眺めていた。 初めのうちは見慣れた通勤の景色だったのに、景色が徐々に変わって行きいつの間にか東南アジアのどこかの田舎のような風景になっている。徐々に乗ってくる人たちの顔つきと服装が移り変わり、気がついたらぎ…