analogue life

フィルムが捉える世界は美しかった

ズマロンM 35mm f2.8

店にあるレンズを数本並べて、借り物のライカMに着けて遊ぶこと十数分。気が付いたら店員さんが慣れた手つきでレンズを緩衝材でくるくると包み始めていた。幼少の頃にお使いで何度も通った近所のコロッケ屋のおばさんが油紙にさっとコロッケとメンチカツを放り込み、新聞紙と輪ゴムですばやく包む光景をフラッシュバックさせるあの軽やかな手つき。哀れ1965年製の小さなおじさんはプチプチでグルグル巻きにされ、カメラ屋のロゴが印刷された袋に丁重に放り込まれたと思ったらお会計まで終わっていた。

最後まで現行ズミクロン35mm f2と迷ったが、価格差ほどのメリットが無さそうだったことと、上品にパチンと止まる無限遠ロック機構の質感がダメ押しとなりズマロンを選択。そのうちまたズミクロン35mmのことを思い出すのかもしれないけど、その時が来たら潔くまた楽しく悩もう。

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帰り道に新宿駅ベルクで辛抱たまらずエーデルピルスを片手に開封の儀。我が家へようこそズマロンM 35mm f2.8。この佇まいを眺めているだけでも、カッコよすぎてビリビリくる。

いつもこの手の古いものを買うと、決まって前の持ち主はどんな人だっただろうと思いを巡らす。キズも曇りもほとんど無いようなので、きっと几帳面な人だったんだろう…なんて想像しつつBessaにTmax400を詰めて、目の前のエーデルを飲んでベルクを出発した。