analogue life

シンプルな暮らしとフィルム写真のこと

Adox Silvermaxは凄いフィルム

現像から上がってきたSilvermaxのネガをスキャンして驚いた。これはちゃんとプリントしなきゃダメだなと反省した。

メーカーの受け売りじゃないけど、このフィルムは階調が豊かで暗部の分離も良く、粒状性も驚くほど優秀。もしかしたらズミクロン50mmとの組み合わせがよかっただけなのかもしれないけれど、そこらへんのデジタルカメラで撮ったRAWをLightroomで丁寧に現像した写真よりも繊細で、自分の写真の腕が二階級特進したのかと思った。

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Bessa R3A/Summicron-M 50mm/Adox Silvermax 

 

粒状性が良いモノクロフィルムといえば富士のACROSがまず思い浮かぶけど、あちらは精緻かつ軽やかな印象である一方、Silvermaxは精緻ながらドスンと重い感じ。きれいに削った5Hから2Bくらいの鉛筆を順に使って丁寧に線を重ねて影を作っていった様な。そんな印象。

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Bessa R3A/Summicron-M 50mm/Adox Silvermax 

 

このフィルムはその性能を引き出すための専用の現像液がある。これは次回試してみたい。劇的に何かが変わると云うことは恐らくないと思われるけど。

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 Bessa R3A/Summicron-M 50mm/Adox Silvermax 

 

富士のACROSがディスコンになった後は、多分このフィルムがACROSのポジションになるんじゃないかと勝手に考えている。さすがにACROSのコスパには勝てないとはいってもSilversalt.jpさんで10本セットで買えば1本あたり800円程度だし。

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Silvermaxは価格もこなれていてとても好みのフィルムなのだが、夜の路地裏なんかを撮るとAdox SCALAのような重厚さを感じる。

Silversalt.jpさんによるとSilvermaxとSCALAはどちらも同じフィルムなのだそうで、Silvermaxをリバーサルフィルムとして現像したい場合はISO160のフィルムとして使えばいいらしい。わざわざ名前を変えて売るAdoxの意図がどうにも解らない。

filmmer.hatenablog.com

ちょっと前に現像から上がってきたSCALAと今回使ってみたSilvermaxを比べてみると、後者の方が若干精緻さが上のようにも感じる。現像の違いが原因なのかもしれないし使ったレンズの差かもしれないし、気持ちの問題かもしれないけど。

ここら辺の違いはゆくゆく試してみたいと思っている。

 

ライカM6かMPが欲しくなってしまった件。

ここ数週間、猛烈に35mmのフレームが欲しくて仕方がない

現在持っている唯一のフィルムカメラであるBessa R3Aは、ファインダーに40mmフレームまでしか表示されないのだが、倍率1倍の素通しファインダーは両目で覗くと風景の中にフレームが浮かぶ様で、50mmレンズを付けてぶらぶら散歩しつつファインダーを覗くととても気持ちがいい。

先日ズマロン35mmを買った際に一瞬「35mmフレームがあったらいいな」と思ったけど、ファインダー内の40mmフレームをレファレンスに数十枚写真を撮ってみたところ、フレームの中に予想だにしないモノや人が入り込まなかったので脳内35mmフレームはそこそこ優秀だなぁ…と感じたものだし、事実今までのところ脳内35mmフレームがちゃんと仕事をしているので、写真を撮るという意味ではなんら問題はない。

filmmer.hatenablog.com

 

ところが、先日うっかりM10-Pを弄ってしまったのである。

デジタルライカに興味がない(モノクロームは除く。あれは強烈に欲しい)ので、M10いいなーとかM10-Pいいなー…なんてことにはならなかったのだけど、35mmのフレームがあるとやっぱりいいな、と云う心持ちになってしまった次第なのである。

じゃあBessa R2を探せばいいじゃん…と云う話なんだが、もう正直に白状すると35mmフレームの付いているライカが欲しくなってしまったのである。ある程度状態が良くて露出計がついてるやつ。

 

www.mapcamera.com

イカは触っちゃダメだね。

遠くから眺めてる分には問題ないけど、うっかり触っちゃダメ。触覚に訴えかける何かがあって、あの重さとか手の中での収まりだとか、パーツの感触だとか。物としてとてつもなく良く考えられていて、触っているうちに取り憑かれる。取り憑かれた後に他のカメラを触ると漏れなく「あれ、これ違うな」と云う心持ちになる。

そんな訳で、ここ数日もうそれこそ職場で家で、移動中であっても状態のいいM6がないかネットを徘徊している。うっかりするとMPの新品が欲しいとか思ってたりする。また悪いことに数日おきに変な魔が差して、ライカアラカルトってのも悪くないんじゃないか…なんて心持ちになったりもする。

魔が差した勢いでオーストリッチ革貼りにしてノブをクランクに変更して、ブラックペイントをブラッククロームに変更して見積もりしてみたらとんでもない金額になっていてたまげた。

jp.leica-camera.com

こうやって諸先輩方はライカ沼に落ちていったんだろうなぁ。

自分の場合はBessaに付けるレンズにうっかりズミクロンを選んでしまった時点で、遅かれ早かれこの沼地に落ちる運命だったのかもしれない。

どこかに程度のいいM6かMP、落ちてないかなぁ。

あまりにも暑すぎて写真が撮れない。

関東地方が何日連続で熱帯夜だったか途中まで数えたが、あまりの暑さにうんざりして放り投げた。

6月中に梅雨明けと言われた時に何となく嫌な予感がしていたが、人として許容できる気温・湿度を超越した恐ろしい暑さが続いている。仕事なんてしていたら脱水でうっかり死んでしまった…なんてことが起きても不思議ではない。

危険極まる日々である。

厚労省文科省は今からでも遅くはないので警察、消防、医療機関を除く全ての事業者へ出社・登校をさせないよう速やかに通達を出すべきだ。自宅で出来る仕事を、わざわざ職場まで出向いてやる意義が全く解らない。

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Bessa R3A/Summaron 35mm F2.8/Kodak Tri-X 400

暑さに加えて湿度も冗談みたいに高い。

カメラをぶる下げて家を出ようもんなら、レンズが結露するんじゃないと思うくらいに湿度が高い。お陰様でここ最近は外にも出ず、家の中で本を読んだり映画を観たりする時間が増えてしまった。あまりに家にいる時間が長すぎて、気がついたらソウル・ライターの写真集を買ってしまった。

出かけるにしても手近なところをぶらぶらするか、近所の八百屋に買い出しに行くかくらいしか家を離れない。暑さで命を落とすことはないかもしれないけれど、それはそれでとても不健康な生活なのである。

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Bessa R3A/Summaron 35mm F2.8/Kodak Tri-X 400

外出しないので、当然写真も撮らない。

驚いたことに7月上旬に詰めたと思われるTri-Xを撮り終わるのに丸々1ヶ月を要してしまった。現像から上がってきたフィルムを眺めていて、いつどこで撮った写真か覚えていないカットまであったりして、あまりの暑さに遂に若年性認知症になったのではないかと我が脳を疑った。

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Bessa R3A/Summaron 35mm F2.8/Kodak Tri-X 400

ところで、今までKodakのモノクロフィルムはTmax400ばかり使っていたので、ちゃんとTri-Xを使ったのはこれが初めてだったのだけど、試しで使ってみたTri-Xの描写はとても好みだった。こってり油彩のTmaxと超細かい砂絵のようなTri-X…という感じ。いいなこのフィルム。

まだまだ夏っぽい日差しが続くので、しばらくはTri-Xを使ってみようかと思う。